八坂神社

現在、全国各地に約3千もの分社があるという八坂神社。
京都に流行した疫病を祓うために創建された神社です。

毎年7月には、日本3大祭の一つ、祇園祭を行います。
京都の夏の名物ですね^^

八坂神社は斉明天皇2年(656年)に創建、平安京ができるよりも150年ほど昔からこの地にあったんです。
主祭神は

  • 素戔嗚尊すさのおのみこと・・・中御座
  • 櫛稲田姫命くしなだひめのみこと・・・東御座
  • 八柱御子神やはしらのみこがみ・・・西御座

です。
素戔嗚尊は、伊勢神宮に祀られている天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟神で、ヤマタノオロチを倒し、草薙の剣を手に入れた神様です。

櫛稲田姫命は素戔嗚尊の妻神様、八柱御子神は、素戔嗚尊の8柱の御子神です。
八坂神社はかつて仏教の影響で祇園神社という名前で呼ばれていました。

主祭神も素戔嗚尊と同一神とされる牛頭天王(ごずてんのう)だったんです。
牛頭天王は、釈迦が説法を行った場所の1つ、祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)を守護することから祇園神社と呼ばれていたんですね。

だから門前町は「祇園」という地名ですし、7月に行われる盛大な祭りも「祇園祭」という名前がついています。
それが、明治の神仏分離令になって仏教と神道を分離することになり、主祭神は牛頭天王から素戔嗚尊、神社の名前は祇園神社から八坂神社に変わりました。

でも、今でも京都の人からは"祇園さん"と呼ばれて親しまれています^^
八坂神社境内には、本殿以外にユニークな摂末社もありますよ♪

八坂神社は京都の東を守る「青龍」の宿る地

京都は四神相応の地といわれています。

風水的に好適地の条件が揃っていて、東西南北の四方向に、方向を司る四神が守るので、このような土地に住む一族は長く繁栄するといわれている場所です。
実際、京都は日本の都として1000年以上も栄えましたよね^^

四方がどのような四神がいて、それがどのような条件の場所なのか?というと、このようになっています。

  • 東(青龍):河川がある
  • 西(白虎):大きな道が続く
  • 南(朱雀):湖沼や広く開けた湿地帯がある
  • 北(玄武):高くそびえる山がある

照らし合わせると、京都は東に鴨川、西は山陽道、南はかつてあった巨掠池、北は船岡山があります。

巨掠池は、豊臣秀吉が伏見城を建てる時に土木工事をしたり、昭和に入って農地に変わったりして無くなってしまいました^^;
しかし、これら四方の場所と中央となる場所を巡る「京都五社巡り」というものもあります。

京都五社巡り

八坂神社は四神のうちの東側、つまり青龍(せいりゅう)が住むとされる場所です。
この場所は、気が集中する場所といわれ、本殿床下にある「龍穴」という池から大地の気が清水とともに湧きでているとされているんです。

こちらが本殿。

八坂神社 本殿

この下に龍穴があるようにはとても思えません^^;
でも、本殿向かって右側、摂社の悪王子神社の隣に、龍穴から湧いている「力水」という御神水が汲める場所があります^^
(ただし、飲み水として使う場合は沸騰が必要)

そして社務所では、龍穴から湧く清水で祓い清めた「青龍石」というものも販売されています。

八坂神社 青龍石

この石は、神棚か、家の中心より東においてお祀りすると、福を呼ぶそうです^^

八坂神社の見どころ ユニークな摂末社

八坂神社には、境内だけでも霊験あらたかそうな摂末社がたくさんあります。

疫病を除いて福を招く神「蘇民将来」を祀る疫神社

八坂神社 疫神社

四条通から続く西楼門をくぐると、すぐあるのが(えき)神社です。
ご祭神は蘇民将来命(そみんしょうらいのみこと)

この御祭神は、毎年6月30日に全国の神社で行われる「夏越の祓」という行事に関係しています。

夏越の祓は、1年の半分が過ぎ、暑い夏にさしかかるにあたって、半年間で知らないうちについた罪穢れを祓い、夏を乗り切れるよう無病息災を祈る行事で、全国の神社の境内では茅の輪がおかれて、それをくぐります。
詳しくはこちらに書きました。

6月30日は夏越の大祓 茅の輪くぐりに行ってきました。

通り過ぎて本殿の方に向かう人が多いですが、蘇民将来を祀る社はなかなか珍しいです。

触って商売繁盛のご利益、祇園のえべっさんを祀る北向蛭子神社

八坂神社 北向蛭子神社

八坂神社には、七福神の一人、えべっさんを祀ってる摂社もあります。
それが、北向蛭子社(きたむかいえびすしゃ)
平安時代から祀られている古い社で、本殿が北正面になっているのが珍しくて北向蛭子社と呼ばれているようです。

東山地域には京都ゑびす神社があって、そちらにもえべっさんを祀っているので、こちらは「祇園のえべっさん」と呼ばれています。
絵馬はもちろん、えべっさんです^^

八坂神社 えべっさん 絵馬

「ふれあいえびす像」というえべっさんの像もあります。

祇園のえべっさん

招福を念じて手で触れると、えべっさんとご縁が結ばれるそうです♪
えべっさんですから、もちろん商売繁盛ですね^^
社殿の隣に立てられているこま札には、ご祭神は事代主神(ことしろぬしのかみ)と書かれています。

事代主神は、出雲大社の大国主命(おおくにぬしのみこと)の子供で、えびす神と同一視されています。

そして、大国主命は八坂神社の主祭神、素戔嗚尊の孫に当たります。
八坂神社にだからここに祀られているのかもしれませんね^^

ちなみに、祇園祭の山鉾巡行で先頭を切る「長刀鉾」の像もあります。

祇園のえべっさん 長刀鉾

毎年7月1日は、長刀鉾に乗るお稚児さんが「お千度の儀」という儀式を八坂神社で行います。
稚児が選ばれたことを神前に報告し、祭礼の無事を祈願する神事ですが、このお千度の儀をもって、1ヶ月間の祇園祭が始まるんです^^

縁結びの神様を祀る大国主神社

八坂神社 大国主神社

先ほどもちょっと触れた大国主社です。

出雲大社の主祭神、大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀る社ですね^^
八坂神社の主祭神、素戔嗚尊の6代の孫です。

そして大国主命も七福神の一人で「大黒さん」と呼ばれています。
鳥居の前には大国主命、そして因幡の白うさぎの像が立っています。

八坂神社 因幡の白うさぎ

写真を見てわかるように、大国主社は縁結びのご利益があるんです♪
絵馬もハート型で、「縁」の文字が入っています。

八坂神社 大国主社 絵馬

願いが叶いやすい!悪王子神社

悪王子神社

なんとも悪そうな神社名ですよね^^;

素戔嗚尊は、神様たちが住む高天原で大暴れして、お姉さんの天照大神を困らせたことがあります。
その流れがここの神社名に出てるのかな?と思ったのですが、ここでの「悪」は、私達が思う”悪”ではなく「強力」という意味のようです。

ここには、素戔嗚尊の荒御魂(あらみたま)が祀られています。
荒御魂は、神様の荒々しい力をあらわすもので、一般的に願いが叶いやすいと言われています。

つまり心願成就のご利益があるということです!
早速お参りしました!が、よく見ると・・・

きかざる

写真が荒くてちょっと見えにくいですが、本殿前の灯籠には「見ざる聞かざる言わざる」の「聞かざる」が描かれていました。

さすが悪王子・・・^^;

身も心も美しくなる美御前神社

美御前神社

こちらはいつも女性に嬉しい神社、美御前神社(うつくしごぜんじんじゃ)
宗像三女神がお祀りされています。

この三女神も素戔嗚尊が十拳の剣をふりすすいだ時に生まれた女神たちです。
名前だけ見ても、美容に関するご利益が授かるのがわかりますね^^
本殿前には「美容水」という水が湧き出ています。

美御前神社 美容水

これを2、3適肌に取ると、身も心も美しくなるのだとか。

ここには女性がたくさん集まりますが、芸舞妓さんや美容業界の人も参拝に訪れるそうです^^

あらゆる困難を切り開く 刃物社

刃物社

本殿の裏側にはいくつかの摂末社がありますが、その中の一つ、刃物社。

昭和期に創建された比較的新しい社ですが開運を切り開くご利益が得られるそうです。
京都は王城として栄えた都なので、刀剣などの刃物の名工を輩出し、刃物技術の基礎を築いたことから、刃物発祥の地としています。
石碑に「刃物発祥の地」と書かれているのはそのためです。

八坂神社の御朱印

八坂神社には、ご本殿の御朱印の他、青龍の御朱印や祇園祭の期間限定の御朱印、悪王子神社などいくつかの摂社の御朱印もあります。

1月9日、10日だけ限定の祗園三社詣や、先ほど紹介した京都五社巡りもあります。
私は現在のところ、御本殿の御朱印と青龍の御朱印だけ頂いています。
こちらはご本殿の御朱印です。

八坂神社 御朱印

そして青龍の御朱印です。

八坂神社 青龍 御朱印

青龍の御朱印は期間限定のようで、専用の紙で書かれている書置きになっています。
値段も500円でした。


2012年に行われた祇園祭の宵山と山鉾巡行の様子もこちらに書いています^^
2012年の祇園祭 宵山を見に行きました
2012年の祇園祭 山鉾巡行を見に行きました

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