泉涌寺 総門

真言宗泉涌寺派の総本山、泉涌寺(せんにゅうじ)は、皇室ゆかりのお寺で御寺(みてら)と呼ばれています。

山号は東山(とうざん)または泉山(せんざん)

本尊は釈迦如来、阿弥陀如来、弥勒如来の三世仏です。

平安時代に弘法大師 空海が仮住まい(草庵)をこの地で結び、"法輪寺"と名付けたことから始まりましたが、鎌倉時代に月輪大師が本格的に創立、寺地の一角から霊泉が涌き出たことにより泉涌寺と改めました。

天台、真言、禅、浄土の四宗兼学の道場として栄え、鎌倉時代の後堀河天皇により皇室の祈願寺と定められた(1224年)のですが、その山内には、1242年に四条天皇が葬られて以来、歴代の天皇が葬られています。

広い境内で、総門を入った山内一円には泉涌寺派の塔頭寺院(たっちゅうじいん)(高僧の死後、その弟子が師の徳を慕って建てた寺院)が立ち並びます。
総門に入った途端に空気が新鮮、都会の音が聞こえないとっても良いお寺です♪

毎年成人の日には泉涌寺七福神巡りが行われ、山内だけで七福神が巡れます。
1日で回れるということもあって、毎年たくさんの人が訪れて盛り上がるそうですよ^^

境内散策

総門をくぐってしばらく参道を歩いていくと、泉涌寺の大門(東山門)があります。
ここからが泉涌寺の入口です。(ここから先は伽藍拝観料 500円)

泉涌寺 大門

大門は国の重要文化財で、元々は京都御所の内裏の門だったそうです。
徳川家康が御所を再建した時に旧門の部材を移築して作ったものです。

大門をくぐると緩い下り坂があり、「仏殿」、「舎利殿」、「本坊」が縦一列に並びますが、その前に左側には小さなお堂、楊貴妃観音堂があります。

泉涌寺 楊貴妃観音堂

楊貴妃というと世界三大美女の一人に挙げられる、中国の唐の時代の皇帝、玄宗皇帝の妃ですね^^
お堂の中央には楊貴妃観音像が、六羅漢坐像に囲まれて祀られています。
(お堂内は撮影禁止なので写真はありません)

楊貴妃は絶世の美女だったそうですが、この像は玄宗皇帝が亡き楊貴妃を偲んで造らせた等身坐像にかたどった聖観音菩薩像となっていて、1255年に宋から日本に持ってこられたそうです。

楊貴妃観音の心臓の部分には舎利が3粒入った五輪塔らしいものがあるようです。(X線で確認)
生命を吹き込んでいるようで意味ありげですね^^

楊貴妃観音には美人祈願の御利益があるそうで、女性の参拝者が絶えず訪れていました^^
縁結びでも有名ですからね♪

大門からの下り坂を進むと、仏殿があります。

泉涌寺 仏殿

密教寺院では普通、「本堂」とか「金堂」と言うのですが、「仏殿」という言い方は珍しいですね。
ここには泉涌寺の御本尊の三世三尊仏(左:阿弥陀如来 中央:釈迦如来 右:弥勒如来)、そしてお堂の左奥には開山された月輪大師像が祀られています。

鎌倉時代の代表的な仏師「運慶」の作です。
どれも同じくらいの大きさで並んでいるんですね。
(堂内撮影禁止の為、写真はありません。)

この三尊仏は過去、現在、未来を表し、三世にわたって守護してくれているんだそうです。

  • 阿弥陀如来・・・現在
  • 釈迦如来・・・過去
  • 弥勒如来・・・未来

です。

左奥の月輪大師像は、暗いお堂の奥にあるのですが、暗い所で見ているせいか、今にも動きそうな感じがします^^
そして堂内には壁画が3ヵ所に描かれています。

  • 飛天図(ひてんず)・・・三尊仏背壁
  • 雲竜図(うんりゅうず)・・・天井
  • 白衣観音図(びゃくえかんのんず)・・・堂の裏側

です。

これらは江戸時代の狩野派を代表する絵師、加納探幽筆によるもの。
そして毎年3月15日には、国内随一、巨大で迫力のある「大涅槃図」が奉掲されます。

仏殿の後ろには舎利殿があります。

泉涌寺 舎利殿

舎利殿はお釈迦様の仏舎利を納めるところで、その中でも泉涌寺の舎利殿ではお釈迦様の歯にあたる部分(仏牙舎利)を納めています。

説法をされる口にあることから特に尊い舎利と言われていて、お堂の中央に脇佛の月蓋長者像と韋駄天像を従えて安置されています。

謡曲「舎利」という、盗まれた舎利を韋駄天が取り戻す物語があって、泉涌寺の舎利殿はその舞台にもなっているんだとか。

また、舎利殿の天井には狩野山雪筆の『蟠龍図』(ばんりゅうず)、通称「鳴き龍」が描かれています。
天井画の下で手を叩くと、その音が反射して龍が鳴いているような音が聞こえるんですね^^

舎利殿は通常、非公開です。
釈迦様の眠りを妨げないように閉ざされているんですね。
特別御開帳される時期がありますが、それは12年に1度、辰年の時です!

ちょうど今年なんです!
私は特別御開帳期間中に訪れて、鳴き龍体験をしてきました^^v
12年に1度、泉涌寺の鳴き龍体験しました

体験記念として、散華というものも頂きました^^
体験期間は4月30日までです。

舎利殿の裏側には、霊明殿があります。

泉涌寺 霊明殿

歴代の天皇の御尊牌が奉祀されているところですが、中には入れないようになっています。

霊明殿から右側の道を進み、さらに奥に行くと、月輪陵(つきのわみさぎ)という陵墓があります。

泉涌寺 月輪陵

広くてきれいな場所ですが、「みだりに立ち入らないこと」と書かれており、そう書かれるとちょっと入りにくい雰囲気^^;
ロープも張られていますしね。

ここには、これだけの天皇が鎮まっているんです!

泉涌寺 月輪陵

それはみだりに入ってはいけませんね^^;

舎利殿の裏手に戻ると、左奥にはお坊さんの住む本坊と、皇族の休憩所である御座所があります。
御座所は本坊から特別拝観(300円)で入ることができます。

泉涌寺 御座所

御座所内はいくつもの部屋があり、多数の襖絵が見られます。

広い部屋ではないのですが昔ながらの優雅さを感じます^^
秋篠宮ご夫妻が来た時の写真も飾られていました♪
(室内の撮影は一切禁止でした。)

御座所には庭園もあります。

泉涌寺 御座所庭園

ここは泉涌寺の広い山内でも奥の方になるので、風に吹かれる草木や鳥など、自然の音しか聞こえません♪
ぼーっと庭を眺めてゆっくりしたくなるところです^^

御座所の庭園から室内に戻る所に、海会堂(かいえどう)という、暗い中に御仏体が祀られているところがあります。歴代天皇と皇族の御念持仏が祀られているそうですが、いかにも儀式が始まりそうな場所でした^^

御朱印

泉涌寺には御朱印が6つあります。

  • 泉涌寺(霊明殿)
  • 真言宗十八本山(霊明殿)
  • 京都十三仏霊場第六番(弥勒菩薩)
  • 洛陽三十三観音第十八番(善能寺:聖観音)
  • 洛陽三十三観音第二十番(楊貴妃観音)
  • 泉涌寺七福神(七福神)

です。

全て本坊の受付で頂くことができます。
オリジナル納経帳は置かれておらず、なぜか東寺のオリジナル納経帳の一つ(ピンクの方)が販売されていました^^;

霊場専用の納経帳は、洛陽三十三観音霊場のものは販売されていましたが(800円)、真言宗十八本山と京都十三佛霊場のものは置かれていませんでした。
御朱印を上から順に紹介します。

皇室香華院(ごこうげいん)、菩提所としての御朱印です。

泉涌寺 霊明殿 御朱印

香を焚き花を供える場所、という意味の「皇室香華院」の印、そしてその場所である「霊明殿」が書かれています。
真言宗十八本山の御朱印です。

真言宗十八本山 泉涌寺 御朱印

菩提所の御朱印とほぼ同じですが、右側の印のところだけ違っています。

京都十三佛霊場第六番の御朱印です。

京都十三佛霊場 泉涌寺 御朱印

仏殿の弥勒菩薩ですね^^

洛陽三十三所観音第十八番、山内寺院の一つ、善能寺の御朱印です。

洛陽三十三観音 善能寺 御朱印

本尊は聖観音菩薩です。
善能寺ではなく、こちらで頂けるようになっているようです。

洛陽三十三観音第二十番、楊貴妃観音の御朱印です。

洛陽三十三観音 泉涌寺 御朱印

残り一つ、泉涌寺七福神に関してはまだ頂いていません。
泉涌寺の七福神巡りは成人の日に行われるそうですが、その時に巡って頂こうと思います^^


今回は写真が白飛びしすぎて、良い写真が撮れてませんでした><
また今度行った時に撮り直して再アップしようと思いますm(_ _)m

泉涌寺はその境内だけなく、山内の寺院も含めて気持ちの良いところです^^
急な坂道はなく、ゆっくり散歩気分で回れますし、見どころもたくさんありますよ♪

駐車場は20台ほど無料で停められるようですが、タクシーやバスなども出入りするので、出来れば公共の交通機関でお越し下さいと書かれていました。
東福寺駅から徒歩15分くらいで行けます。

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