お寺の山門で二体の像を見かけることがあると思います。
金剛力士、または仁王とも呼ばれています。
仏像では、胸をはってガッチリと盛り上がった筋肉、浮き出た血管、忿怒の形相などが特徴で、リアルに作り込まれています。
男らしく力強い姿ですね^^
門番としてはまさに頼もしい限りです。
金剛力士像で有名なところでは、東大寺 南大門の大きな像や、同じく東大寺 三月堂の像、そして興福寺 国宝館にある等身大の像があります。
金剛力士は2対で一体の神だった!
仏教の宇宙観の中心には、
天に届くほど高い山で、そこには仏たちを守護する神々が住んでいます。
ふもとには二竜王、中腹には戦闘要員の夜叉神、その上方にそれらを統率する四天王、頂上には全ての武将を統括する帝釈天の城があります。
金剛力士の正体は、実は、全ての武将のトップである
帝釈天は高貴な顔立ちで、いつも穏やかな表情でおられます。
しかし本当に怒ると
その進撃の早さは電光のようで、二神になって悪魔の大軍を左右から攻め滅ぼすんです。
その姿が、金剛力士です。
なので、私達がお寺の山門で金剛力士を見かける時、二体の門番がいるように見えますが、実はどちらも執金剛神なんですね^^
ちなみに「執金剛神」は、毎年12月16日に公開される東大寺 法華堂のものが有名です。
一対で大きな働きをする金剛力士
金剛力士像は、一方は口を大きく開く
口を開けている阿形は私達に、心の目を開けと教えています。
全てのものの真実、つまり、生滅変化する仮の姿の奥にあるありのままの姿をよく見て、宇宙の真理を悟らねばいけないということです。
口を閉じている吽形は、煩悩による一切の悪魔を遮断しなさいと教えています。
この二つは、+と-、陰と陽のように、それぞれだけでは働けないけれども、両者が1つになった時にいろいろな働きが発揮されます。
それが阿吽の呼吸というものですね^^
「金剛力士」の「金剛」は、帝釈天がいつも「
「金剛」というのは金剛石、つまりダイヤモンドのことです。
古くは武器の材料に使われ、煩悩を絶ち切る智慧の象徴とされています。
また、仏がそのような武器を持つ意味として、「堅固」「鋭利」の二徳を持っているということになり、阿吽の二形もそれを表しているともいわれています。
写真:仏像フィギュアの【イSム(いすむ)】より