比叡山延暦寺は、京都府と滋賀県にまたがる、広いエリアを寺領とするお寺です。
京都府側からも滋賀県側からも行くことができ、移動手段はロープウェイ、ケーブルカー、バスなど色々あります。
今回は、車で行く場合について。
(※電車やバスで行く方法は別記事にしました。)
私が行く時は、ほとんどが車です。
なぜなら比叡山は、車で行った方がはるかに効率的なんですよね。
半日で大部分を回ることも可能です。
車で行く時に知っておきたいのが、ドライブウェイの料金体系。
比叡山内の道路は、有料のドライブウェイになっているんです。
しかしその料金体系が独特なんですよね。
仕組みを知らずに無計画に移動していると高くついてしまいます。
今回は、ドライブウェイの利用料金や、上手く利用するための移動方法、その他車で比叡山に行くにあたってのあれこれを紹介してみようと思います。
比叡山延暦寺に車で行くメリット
比叡山に車で行くメリットは、2つあります。
1つはやはり効率的に回れるということです。
延暦寺は、大きく「東塔」「西塔」「横川」の3エリアに分かれています。
その3エリアのどこかに「延暦寺」というお堂があるのではなく、山全体が延暦寺です。
もし、それぞれのエリアを徒歩で移動しようとすると、東塔から西塔へ片道20分、西塔から横川へ片道1時間半ほどかかります。
延暦寺はそれくらい広いんですね^^;
ドライブウェイはこの3エリアを横断する全長約18kmの道になっています。
3エリアにはそれぞれ広い駐車場も完備されていますので、車なら効率よく参拝できます。
一応、山内には有料のシャトルバス(冬季は休業)も走っていますが、運行間隔は30分に1本程度。
これを考えると、車で行けばかなりの時間制約になりますね。
2つめのメリットは、「夢見が丘」「登仙台」「比叡山頂」「琵琶湖展望台」など、比叡山内の絶景スポットに気軽にアクセスできるということです。
京都側を眺めたり、琵琶湖側を眺めたり、いろんな角度から景色が見れますし、夜景もきれいですよ^^
ドライブウェイについて
ドライブウェイの入り口は、京都・大津方面から近い「田ノ谷峠」、おごと温泉・琵琶湖大橋方面から近い「仰木」となっています。
ドライブウェイは2つの会社が運営していて、その運営会社の違いから、東塔を境に田ノ谷峠側が「比叡山ドライブウェイ」、仰木側が「奥比叡ドライブウェイ」と呼ばれています。
料金は一緒に支払うので、利用者側は名前を意識する必要はありませんけどね^^
ドライブウェイは山道ですが、片側一車線の道できれいに整えられていますので、運転が苦手な方も心配ありません。
一方通行ではないので行き来は自由、来た道を戻ることもできます。
ドライブウェイ沿いには3エリアだけでなく、要所要所に駐車場が用意されていて、駐車料金は全て無料です。
結構広めなので、混雑で駐車待ちになることはあまりありません。
二輪車については、奥比叡ドライブウェイのみ制限があります。
日曜日・休日は、公安委員会の指定により通行できないことになっていますのでご注意ください。
ドライブウェイの営業時間
ドライブウェイの営業時間はこのようになっています。
期間 | 比叡山ドライブウェイ | 奥比叡ドライブウェイ |
---|---|---|
3月1日~6月30日 | 7:00~23:00 (入場最終22:00) |
7:00~23:00 |
7月1日~8月31日 | 7:00~24:00 (入場最終23:00) |
|
9月1日~11月30日 | 7:00~23:00 (入場最終22:00) |
|
12月1日~1月15日 | 9:00~22:00 (入場最終21:00) |
9:00~19:00 |
1月16日~2月末日 | 9:00~20:00 (入場最終19:00) |
※悪天候の場合は変更になります。
※入場は、終了時間の1時間前まで。
※12月31日は、終夜営業。
延暦寺の巡拝時間はこのようになっています。
月 | 地区 | 参拝時間 |
---|---|---|
1~2月 | 東塔 | 9:00~16:30 |
西塔・横川 | 9:30~16:00 | |
3~11月 | 東塔 | 8:30~16:30 |
西塔・横川 | 9:00~16:00 | |
12月 | 東塔 | 9:00~16:00 |
西塔・横川 | 9:30~15:30 |
比叡山には延暦寺以外にも施設がありますので、ドライブウェイの営業時間は延暦寺の巡拝時間よりも長めになっています。
延暦寺への参拝が目的なら、ドライブウェイの営業時間を心配する必要はありません。
知っておきたいドライブウェイの2つの特徴
ドライブウェイでは、駐車料金は無料ですが、道路の利用で料金が発生します。
なので、無計画に移動していると最終的に料金が高くなってしまいますので注意が必要です。
その仕組みについて説明します。
1つ目のポイントは、後払いであるということ。
入山の時は料金所で券を受け取るだけです。
料金は下山するときにまとめて精算されます。
値段は道路を利用するほど追加されていくのですが、途中でいくらになっているか、確認することはできません。
支払いは現金のみです。
2つ目のポイントは検札所の通過タイミング。
図を見ると、ドライブウェイの途中に検札所が2つあることがわかると思います。
入山するときに料金所で券をもらい、検札所を通過するときに貰った券を通します。
ドライブウェイは何度でも行き来できますが、検札所をどのように通ったかで料金が決まります。
例外もありますが、基本的に検札所を通過すると料金があがると考えてよいでしょう。
次はよくあるルートパターンと料金を見てみましょう。
比叡山ドライブウェイの利用料金とおすすめルートパターン
ルート | 二輪車 | 小型・普通車 | マイクロバス | 大型車 |
---|---|---|---|---|
1 | 580円 | 860円 | 2,100円 | 3,400円 |
2 | 1,160円 | 1,700円 | 4,200円 | 6,800円 |
3 | 2,260円 | 3,270円 | 8,100円 | 13,050円 |
4 | 1,680円 | 2,430円 | 6,000円 | 9,650円 |
5 | 1,680円 | 2,430円 | 6,000円 | 9,650円 |
6 | 2,260円 | 3,270円 | 8,100円 | 13,050円 |
7 | 1,100円 | 1,570円 | 3,900円 | 6,250円 |
8 | 2,200円 | 3,140円 | 7,800円 | 12,500円 |
9 | 1,680円 | 2,430円 | 6,000円 | 9,650円 |
料金は2023年3月時点のものです。
良いパターンも、もったいないパターンも合わせて、よく使われるパターンを具体例にしました。
(一番多い小型・普通車の値段を赤にしていますが、その中でもおすすめパターンを太字の赤にしています。)
いずれにせよ結構高いですよね^^;
なので事前に、どこまで参拝するのかを決めておいて、どちらの料金所がアクセスしやすいか、ではなく、どのエリアに参拝するか、で決めた方が良いと思います。
次に、参拝先別でおススメの行き方の説明と、その際の料金(普通車ベースで)を紹介します。
東塔だけ参拝する方
比叡山の中でも最重要とされているのは、東塔にある根本中堂です。
なので、東塔だけピックアップして行かれる方も多いです。
その場合は、田の谷峠から入って東塔まで行き、田の谷峠に戻るパターン2がおススメ。
この場合、東塔エリアに行くこともできますが、展望台にもなっている「比叡山頂」、「夢見が丘」、「登仙台」もついでに行くことができます。
また、東塔の駐車場に車を停めておいて、西塔も参拝(徒歩20分)することも可能です。
その場合は検札所を通りませんので、パターン2の料金で行くことができます。
西塔・横川だけ参拝する方
仰木から入って横川と西塔に行き、仰木に戻るパターン7がおススメ。
例えば、
初めて比叡山に行ったときに東塔だけ行ったので2度目は西塔と横川へ・・・
という方もいると思います。
その場合は仰木から入った方が安上がりです。
西塔と横川の間には検札所がありませんので、横川だけ行っても、西塔と横川をセットで行っても料金は変わりません。
東塔・西塔・横川すべてを参拝する方
全てを参拝する方は、ドライブウェイを縦走するパターン4、5、9がおススメ。
パターン5は、先ほど上で少し触れた、検札所を通過しても値段が上がらない例外パターンです。
このパターンでは田の谷峠からスタートしていますが、仰木からこのルートを通る場合でも値段は一緒です。
東塔と西塔・横川の行き来に関してのみ例外にしているのかもしれません。
理由はわかりませんが、駐車場が満車だった場合など、そういうことで移動を余儀なくされる可能性もありますからね。
パターン5とは違い、値段が上がってしまう例が、パターン6です。
また、高くついてしまうのにやってしまいがちな例は、3や8のパターン。
東塔・西塔・横川を全て参拝するまでは良いのですが、帰りに最初に入った料金所に戻ってしまうパターンです。
実際、そうしてしまったという方が結構いるんですよね^^;
全てを参拝するなら、戻らずに縦走した方が良いです。
また、節約重視の方は、パターン7で東塔・西塔・横川を参拝する技もあります。
西塔から東塔へは徒歩で20分で行けますので、横川、西塔と参拝したあと、西塔に車を駐車しておいて、徒歩で東塔に行きます。
縦走する4、5、9と比べて860円お得になり、パターン6の値段で3エリア全て参拝できます。
値段をとるか、時間をとるか、お好みで判断してみてください^^
紅葉を見に行かれる方
比叡山は紅葉が有名ですが、紅葉スポットは、西塔と横川、夢見が丘などがあります。
一番有名なのは横川で、毎年「比叡のもみじ」というもみじ祭りが行われています。
景品がもらえる無料の抽選会にも参加できます。
なので、紅葉狩りに行くならパターン7がおススメです。
お子様がいらっしゃる方は、パターン1で夢見が丘に行ってもよいかもしれません。
夢見が丘には、スーパースライダーやサイクルモノレールなどの遊具施設や、バーベキューコーナーもあります。
「カフェテラスyumemi」で琵琶湖を見下ろしながら軽食を楽しむこともできますよ。
桜を見に行かれる方
比叡山の桜のピークは、GW頃。
特に奥比叡ドライブウェイ沿いには約40種類もの桜が咲き誇り、西塔では「比叡のさくら」というさくら祭りが行われています。
なのでパターン7がおススメです。
ただ、桜は比叡山ドライブウェイや比叡山頂でも結構咲いていますし、「夢見が丘」では開花の時期には日没から21時頃までライトアップも行われます。
なので、仰木から田の谷峠に向かって縦走するパターン9も良いかもしれません。
帰りに夢見が丘でライトアップと夜景が見れると良いですね^^
印刷マスト!ドライブウェイのクーポン券
ドライブウェイを利用するなら、用意しておきたいのがクーポン券。
比叡山ドライブウェイの公式サイト、又は奥比叡ドライブウェイの公式サイトにあります。
注意したいことは3点。
1つは印刷しておくということ。
クーポン券は料金支払い時に回収されますので、スマホでの画像表示ではなく、印刷物が必要です。
(仰木料金所は画面表示に対応したようですが、田の谷峠料金所はまだのようです。足並みが揃っていないので、印刷しておいたほうがベターです。)
旅先で直前に印刷忘れに気づいた場合は、スマホさえあればコンビニで印刷できるサービスがあります。
サークルKサンクス・セイコーマート・ファミリーマート・ローソン⇒ネットワークプリントサービス
セブンイレブン⇒netprint
クーポン券はpdfファイルなので、文書ファイルになります。
自宅にプリンターがない方も、これらのサービスを使えば印刷できますよ^^
もう1つは、クーポン券には有効期限があるということ。
なので行く前に有効日付を確認して印刷しましょう。
最後の1つは、JAF会員証の提示でも通行料金の割引ができるということ。
これらのクーポンの対象車種は、小型・普通車です。
他の割引との併用は出来ません。
詳しくは、比叡山ドライブウェイ(公式)の割引情報をご覧ください。
比叡山延暦寺の駐車場について
比叡山の3エリアをはじめ、各スポットには、それぞれ駐車場が完備されています。
ドライブウェイは利用料金がかかりますが、駐車場はすべて無料です。
台数は以下の通りです。
- 夢見が丘展望台(田の谷峠ゲートから約2km):120台
- 登仙台(ロテルド比叡前):40台
- 四明が嶽駐車場(比叡山頂):230台
- 東塔駐車場:270台
- 峰道駐車場(峰道レストラン&展望台):50台
- 西塔駐車場:75台
- 横川駐車場:80台
- びわ湖展望台(仰木ゲートから約3km):10台
- 香芳谷展望台(扇ゲートから約1.5km):数台程度
なお、ドライブウェイは営業時間がありますので、車中泊はできません。(パトロールがあります)
結構広い駐車場ばかりですので、普段は混雑の心配はありませんが、年末年始、三が日は混雑が予想されます。
特に比叡山から見る初日の出は人気がありますから、前もって下調べが必要ですね。
冬季のドライブウェイは雪で通行止めになることもあるので要注意
比叡山は、冬になると雪が降ります。
道路が凍結していたり、除雪作業中などは通行止めになる場合があります。
なので冬に行かれる方は、最新の情報を確認してから行くようにしてください。
主に、比叡山ドライブウェイのtwitterで道路状況を毎日発信されています。
延暦寺は、駐車場に到着してからも巡拝料が必要です。
3エリア共通券となっていて、大人1,000円、中高生600円、小学生300円となっています。
ドライブウェイの通行料と合わせると結構高くなりますので、中途半端に行くのはもったいないです。
行くならじっくり観光するつもりで、朝から1日がかりで行く計画を立てた方が良いと思います。
それで時間が余ったら、麓に下りれば日吉大社や三井寺、西教寺など、滋賀の有名観光スポットがあるので、行く場所には困りませんよ^^