かつて平安京の朱雀大路があったという千本通り。
かつて大内裏があった場所からさらに北へ行ったところに、
通称、千本ゑんま堂と呼ばれていて、閻魔様が祀られているんです。
お寺の名前に使われている「引接」というのは「引導」のこと。
閻魔様が祀られているお寺らしい名前です。
そんな千本ゑんま堂に、節分の日に行ってみました。
死者に引導を渡す閻魔様
かつてこのあたりは「
西の「
朱雀大路は北の埋葬地である蓮台野に延びていたのですが、現在使われている「千本通り」という名前は、たくさんの卒塔婆が立ち並んでいたことから名付けられたのだそうです。
死者がたくさんいそうな、なんとも恐ろしそうな所ですね^^;
でも、そういう所に閻魔様が祀られているのは、とてもありがたいことなのです。
「引導を渡す」という言葉がありますが、これは「トドメをさす」という意味ではありません^^;
イメージ的にはそんな感じなのですが、本来の意味は、「死者が悟りを得るように法語を唱えること」なのです。
なのでここでは御本尊の閻魔様のことを「閻魔法王」と呼んでいます。
地獄の番人として恐れられる閻魔様ですが、実は怖い顔をしたり、怖いイメージを植え付けたり、色々な手段を使って私たちを人間界より下の層にある三悪道の世界(地獄界・餓鬼界・畜生界)に落とさないように務めてくれているんですね^^
閻魔様の正体は地蔵菩薩とも言われているので、実は慈悲深い仏様なのです。
本堂前には「塔婆流しできます」の看板が。
塔婆流しはお盆に行われる行事なのですが、「水塔婆」と呼ばれる板状の塔婆を流すことで先祖を供養する、というものです。
昔は川で流していたと思うのですが、今は本堂裏の池で流すようです。
形式は変わりましたが、今でも昔の風習が続いているということなのでしょうね^^
閻魔様の好物、こんにゃく煮き
2月2日、3日の節分会では、厄除けのこんにゃく煮きが用意されます。
本堂の入り口に釜が用意されていて、釜の中を開けると、こんな感じで煮込まれていました。
堂内で頂く場合は400円、お持ち帰りもあって、吉兆守りがついて500円でした。
なぜこんにゃくなのでしょう?
閻魔様はうそを大罪としているので、うそをつくと閻魔様に舌を抜かれるといいますが、こんにゃくには表裏がありません。
なので閻魔様の好物とされているんです。
これを食べると、中風除け、諸病除けになるそうですよ^^
御本尊の閻魔法王は、普段は内陣が格子戸で囲まれていて見えにくいのですが、節分やお盆、毎月16日の御縁日など、特別な時は格子が取り払われ、御開帳されます。
今回は節分の日に訪れたので、扉が開いていました^^
ただ、普段も拝観できないわけではなく、拝観料500円を払えば、内陣に上がって、お寺の方の解説付きで拝観できるようです。
閻魔様は高さ2.4メートル 幅2.4メートルと、近くで見るとかなり大きくて迫力があるのですが、行事の日は、行事の都合で内陣に上がれない場合がありますから、ゆっくり拝観したい場合は普段の日に行った方がよいかもしれません。
京都中を練り歩く 節分お化け
江戸時代から昭和初期にかけて行われていた「節分お化け」という風習があります。
節分の日に仮装をして神社仏閣を練り歩くのですが、これは、普段と違う姿をすることで夜にのさばる鬼をやり過ごそうというものです。
いわゆる、日本式のハロウィンですね^^
この節分おばけ、京都では実行委員会があって、今でも一般の人が参加して行われています。
私が訪れた時、ちょうど節分おばけの一行に遭遇しました!
鬼やお化けが閻魔様にお参りしています。
「千と千尋の神隠し」に出てくる「顔なし」もいますね^^
こんにゃく煮きを頂いているおばけたち。
住職さんともパチリ♪
良い笑顔です^^
参拝してこんにゃくを食べたら次の目的地へ。
次は吉田神社へ向かうそうです。
わざわざハロウィンのような外国のものを取り入れなくても、日本式のものがもっと盛り上がれば良いのにと思います^^
ちなみに、京都には芸舞妓さん達がいる花街がありますが、この日ばかりは芸舞妓さん達も仮装してお茶屋からお茶屋へ移動するそうです。
芸舞妓さん達が活動するのは夕方以降ですから、それくらいに花街に行けば、芸舞妓さんたちのお化けに出会えるかもしれません^^
千本ゑんま堂の御朱印
千本ゑんま堂の御朱印です。
日付のところに「節分」と書かれているのも特別ですね^^
節分の日は19時30分から狂言や豆まきが行われるのですが、私が訪れたのは16時ごろ。
今回は北野天満宮の北野追儺狂言を優先してきたので、時間が合いませんでした。
京都市登録無形民俗文化財に登録されていますので、またいつか見ようと思います。