※左端のゆるキャラは、嵐山出身の観光人力車のゆるキャラ、えびすけです^^)
清水寺と東山花灯路に行ってきました。
今回清水寺に行った目的は、清水寺境内、三重塔のすぐ近くにある
「居開帳」というのは、本来安置されているお堂で御開帳されることですね。
それに対して、イベントなどで別の場所に移動して御開帳されることを「出開帳」といいます。
境内の別の場所での御開帳でも「出開帳」となります)
清水寺の大随求菩薩は今まで、出開帳は何度かあったのですが、「居開帳」は寛政8(1796)年以来となる、222年ぶり、3度目の居開帳となります。
そして春のライトアップイベント「東山花灯路」の期間中は、午後9時まで延長して拝観することができました!
あの歴史上人物がバックアップした随求堂と、大随求菩薩のご利益
随求堂は、清水寺の塔頭寺院(子院のこと)であった「慈心院」の本堂で、随求菩薩を祀っていることから随求堂と名付けられています。
ところで「
これには「どんな願い求めにも
そういうことから「万能の菩薩様」ともいわれているんですね。
その中でもとりわけ、縁結び・夫婦円満・子授け・安産といったことのご利益が得意のようです。
なので随求堂には、大随求菩薩以外に
- 大聖歓喜天:夫婦和合・子授け
- 粟島明神:妊婦病平癒
- 吉祥天:家内安全(毘沙門天と夫婦関係)
- 毘沙門天:福徳招来(吉祥天と夫婦関係)
といった仏様たちが集結しているのです。
縁結びから子授け、夫婦仲まで、家庭内をトータルサポートしてくれるお堂なのです^^
そしてその中のボスが大随求菩薩。
そんな大随求菩薩の功徳にあやかろうと祈願にやってきた人物がいます。
豊臣秀吉です。
秀吉は世継ぎに恵まれなかったので、大随求菩薩に祈願したところ、秀頼公を授かった、とされています。
それから秀吉は随求堂の発展に貢献したんですね。
ちなみに秀吉が寺名まで授けた「慈心院」は、明治の廃仏毀釈の影響で廃堂となってしまいました。
それでも随求堂だけは残ったので、現在は清水寺所属のお堂になっています。
大随求菩薩のお姿は?
大随求菩薩は、平安時代の貴族に鎮重された「随求陀羅尼経」を具現化した仏像です。
その頃は「子授け」の意味が今以上に重要だったので、その頃に求められて大随求菩薩像が生まれたのかもしれません。
現在の随求堂の大随求菩薩は、享保13(1728)年に造られた高さ約1.1mの木像の坐像。
この時代は経済的に成長した元禄時代のすぐ後の時代です。
元禄時代文芸・学問・芸術が著しく発展しており、その頃の文化は「元禄文化」と呼ばれています。
そういう豊かな時代に造られた仏像で、その時代を象徴するような華やかな印象を受けます。
赤っぽい蓮華座に座られていて、体や衣は金箔や金泥が施されています。
宝冠の奥には化仏が見えるのですが、まるで時刻になったらキャラが登場してお知らせしてくれる機械仕掛けの時計のようです^^
腕は8本あり、中央に添えた手には迷いを打ち払う法輪、その隣には金剛杵を持っています。
周りの手には剣や錫杖、斧などを持っているのですが、右側の手にはなんと「蛇」を持っているんですね!
まるでこの手だけが明王化しているような感じなのですが、その理由はわかりません。
その辺を探ってみると面白そうですね^^
今回の御開帳では清水寺境内の地蔵院善光寺堂で見つかったという「随求陀羅尼」の版木を和紙に写した印刷物が2,000円で販売されていました。
大きさは縦横50cmほど。
結構大きめですね。
そして必要なら500円で御寶印を押してもらえるようです。
穢れを祓って生まれ変わる「胎内めぐり」
「清水寺」というと、誰でも知っているお寺でしょう。
そのなかでも「清水の舞台」が有名ですよね。
逆に、随求堂のことを知っている人は少ないように感じます。
でも実は、外国人観光客には有名なスポットのようです。
昼間はこんなにたくさんの人が。
ヨーロッパ系からアジア系まで、色々な国の外国人がたくさんいました。
何年か前まではそんなこともなかったんですけどね^^;
その人気の理由はこちら。
胎内めぐりです。
こちらは御開帳とは関係なくいつでも巡ることができます。
胎内めぐり(お寺によっては「戒壇めぐり」ともいう)は随求堂以外にもあるのですが、ガイドブックに取り上げられているらしく、有名になっているようです。
しかも清水の舞台よりも大きく取り上げられていて、これ目当てに訪れる観光客が多いみたいですね。
ではその「胎内めぐり」とは何か?
それがご本尊の大随求菩薩と関係があります。
大随求菩薩は、私たちの求める願いを何でも叶えてくれる菩薩様でした。
とりわけ良縁・子授け・夫婦円満などにご利益のある仏様でしたね^^
「胎内めぐり」は、その大随求菩薩のお腹の中をめぐる、ということです。
ご利益がありそうですね^^
胎内めぐりは随求堂の地下です。
どんなに目をこらしても真っ暗で何も見えない中、壁に張り巡らされた数珠のような手すりを頼りに前に進みます。
曲がり角はありますが、段差はないので足元は安心です。
なので、数珠手すりを触りながらながらどんどん進めばよいのですが、頭ではわかっていてもあまりにも真っ暗なので、「もし人がいたら」とか「急に壁が出てきたら」と思うと恐怖心が出て、ゆっくりとゆっくりとしか進めませんでした。
感覚が自然に研ぎ澄まされるような感じになりながらも前に進んでいくと、一筋の光が見えてきます。
光が見えると安心しますね^^
その光が当たっている先にあるのは、大随求菩薩を象徴する「ハラ」という梵字が刻まれた「随求石」。
この石を撫でて、1週させると願いが叶う、といわれているんです。
ここで階段を上って、胎内めぐりは終了。
名目上は願いを叶える石が人気を呼んでいるように見えますが、それ以上に「非日常の体験」をしに訪れる人が多いように思えます。
(ヨーロッパの人が結構多いのでそういう印象を受けました^^;)
仏様の胎内、という設定ですので、自分が生まれ変わるような体験をするのですが、同時にまるで自分の心の様子を表しているようでもありますね。
「迷い」や「悩み」というのは、ここでは「暗闇」で現わされていて、それはまさに「煩悩」です。
勇気を持って前に進めばいつしか光が見えてきます。
それが「悟り」です。
光が見えた時の安心感、心地よさはなんとも温かい気持ちにさせてくれます^^
外に出た時に、いつも当たり前のようにある光のありがたさを感じる人も多いそうです。
何か悩みを抱えている人は、こういう体験をしてみるとスッキリするかもしれませんよ^^
清水寺の花灯路
ここからは花灯路の様子をパパっと紹介^^
まずは西門。
随求堂側から見た三重塔と仁王門。
西門から見た夜景。
残念ながら清水寺本堂は工事中なんです。
でも、懸造の舞台に懸造のような足場が組まれているので、懸造in懸造という珍しいものが見れました^^
いつも行列ができている音羽の滝は、この日はガラガラで水汲み放題でした^^
狐の嫁入りにも遭遇!
清水寺の帰りに花灯路を楽しみながら歩いていたのですが、高台寺付近で花灯路名物「狐の嫁入り」に遭遇しました!
これは東山花灯路で、古来より縁起が良いとされる「狐の嫁入り巡行」を人力車と提灯行列で再現したものです。
行列のルートは「知恩院三門前~高台寺」で、花灯路期間中毎日2回、午後7時と午後8時に出発します。
私は以前から何度も見たことがあるのですが、あまりの速さ(しかも夜)だったので、写真を撮ってもいつもぶれてしまっていたんです^^;
これは撮れない、とあきらめていたのですが、
「まもなく狐の嫁入りが到着しま~す!」
という交通整理の人が声をあげていました。
なんと、高台寺前ではなんと停まってくれるんですね^^
そこで待っていると狐が到着♪
しかも、狐の到着と同時に小雨が降り始めました!
そして狐が去ると同時に雨も止んでいきました。
まさに「狐の嫁入り」ですね^^
私が撮影したのは8時15分頃。
場所は高台寺公園の向かいにある春光院の門の前です。
出発から15分後くらいにこの辺りにいれば、ゆっくり行列を見れるかもしれません^^