全国の「お稲荷さん」の総本宮、伏見稲荷大社。
狛犬の代わりに置かれている眷属の狐は有名ですし、数え切れないほどの鳥居が並べられた「千本鳥居」は圧巻です^^
伏見稲荷の魅力はそれだけではありません。
稲荷信仰のことを知るなら、ぜひ本殿の後ろにある「稲荷山」に登ってみると良いでしょう。
単に境内を回るだけなら他の神社を参拝する感覚とあまり変わらないかもしれませんが、山に登るとディープな世界が広がっています。
ちなみに、稲荷山に登ることを「お山する」と言います。
稲荷山は高さ233メートル。
4キロの道を2時間くらいで歩けます。
途中で茶屋もありますから、休憩しながら行けますね^^
急な登りはそんなにないので、山登りと言ってもそんなに苦ではなく、ウォーキングをやっているような感覚でのぞんでも大丈夫だと思います。
稲荷信仰は、伝統的な記紀神話とは関係なく、民間信仰によって広がっていきました。
なので、時代によって、地域によって、信仰する人によって信仰の内容が違うので、求めるご利益やご神徳が違ってきますし、一つの神が別の神と結びついたり、仏と習合してさらにご神徳とご利益の幅が広がってきているんです。
山の中では、その複雑な信仰世界を見ることができます。
稲荷山を巡ると、密教関係の神仏が一度に参拝できると言われていますからね^^
神社のルーツや神様について色々な説があってはっきりしていない部分がたくさんありますが、とにかく他には類を見ない聖地と言えるかもしれません。
あまりに広いので、今回は稲荷山の麓の境内(「奥の院」や「おもかる石」がある命婦谷まで)を紹介します。
第一鳥居から命婦谷までで、個人的に参拝や見学しておきたいと考えているのはここです。
- 本殿(参拝)
- 本殿前の受付所(御朱印を頂く)
- 玉山稲荷社(参拝)
- 奥宮(参拝)
- 白狐社(参拝)
- 千本鳥居(見学・通り抜け)
- 奥の院(参拝)
- おもかる石(願い事を占う)
というわけで、最初にある楼門から紹介します。
伏見稲荷の第一鳥居、第二鳥居をくぐると、楼門が見えてきます。
楼門の前には眷属のお狐さんがカギと宝珠をそれぞれ加えています。
これから奥に進むにつれ、たくさんのお狐さんが出迎えてくれますが、加えているものが巻物になったり、稲になったり、しっぽに如意宝珠をつけていたりします。
その辺を見ていても面白いですね^^
「お稲荷さん」というと狐のイメージを持っている人は多いと思いますが、狐そのものを神としているわけではありません。
狐はあくまで稲荷神と人との間を取り持つメッセンジャーで、仕えている狐もただの狐ではなく、霊狐という、霊力を持った狐で「お狐さん」と呼ばれています。
霊狐は、ただの動物霊とも違います。
また、霊狐の中にも"霊格"というものがあるとされているそうで、
霊格が高い狐だと的確な託宣をもたらしますが、最低ランクの野狐と意識が繋がってしまうと、狐にとり憑かれて身を滅ぼしかねないようです^^;
参考:怪異・きつね百物語 [PR]
楼門を抜けたところに外拝殿と内拝殿があります。
下は内拝殿。
お参りは内拝殿でするようです。(外拝殿は使われていないのか?)
外拝殿の右手側には、学業の神様を祀る、
東丸神社も東丸神社の御朱印がありますので、頂きたい方は参拝すると良いですね^^
そして下の写真は横から見た本殿です。
本殿の作りは珍しい造りで、稲荷造という名前がつくほどです。
拝殿側の屋根が長くなっていますね^^
通常なら本殿は、1柱の神を祀るのが普通ですが、伏見稲荷の本殿では、
1つの社で5柱を祀っている、ということですね^^
この5柱を総称して稲荷大神と言われています。
正面に向かって左側から
田中大神 :田中社佐田彦大神 :中社宇迦之御魂大神 :下社大宮能売大神 :上社四大神
です。
写真は正面から撮れないのでわかりにくいかもしれませんが、現地に行ったらそのように祀られているのだと思いだしてみて下さい^^
上社、中社、下社は、稲荷山の一の峯(上社)、二の峯(中社)、三の峯(下社)に対応します。
本殿左側にある受付所では、本殿の御朱印が頂けますよ^^
伏見稲荷の御朱印が頂けるのは3ヵ所あります。
残り2ヶ所は、後で紹介する奥社参拝所と御膳谷参拝所です。
(東丸神社も合わせたら4つになります^^)
本殿の後ろ側には権殿があって、その横の階段を登ると、末社が左手に並び、正面に玉山稲荷社があります。
この社は、宮中の鎮守の神様として、京都御所内に勧請されていたこともある稲荷社です。
そして、東京に遷都した明治の始めの頃に、今の地に遷座されました。
そこからさらに奥に行くと、次は奥宮と白狐社があります。
下は奥宮です。
奥宮も正殿と同じく稲荷作りで、本殿と似ています^^
奥宮はかつて山上にあった社殿を遷したものと言われていて、各式は本殿と並びます。
その隣にあるのが、白狐社です。
ここから先は、有名な千本鳥居です。
数え切れないほど並んでいる鳥居は全て奉納によるもの。
しかも、昔からあるものとおもいきや、平成になってからのものが多いんです!
それだけ崇敬者が多いということがわかりますね^^
太陽の光をほとんど遮るほどの朱塗りの鳥居に囲まれていて、異次元に引き込まれそうな雰囲気ですが、ここは、稲荷山入り口である命婦谷(みょうぶだに)につながる参道にもなっています。
稲荷山の麓の命婦谷は奥の院(奥社)があって、その背後には稲荷山の上中下社があることから、稲荷山の奉拝所となっています。
境内の右奥には稲荷大神の依り代になっている霊石、おもかる石が祀られています。
これも有名ですね^^
願掛けをして、宝珠石を持ち上げてみて、思ったより軽ければ願いが叶うと言われています。
ここには、奥社の御朱印が頂ける奥社参拝所があります。
ここまでは、山登まではしたくない方でも気軽にこれます^^
もしここで山に登らず引き返すなら、奥社の真後ろにある磐座に参拝してから引き返しても良いですね。
ここならさらに、山を見上げるようにして参拝できます。
伏見稲荷の稲荷山編は次の記事で紹介します。
次の記事⇒伏見稲荷大社の稲荷山で参拝しておきたいところ