三重県熊野市の七里御浜沿いに車を走らせると、「
これをご神体として祀ってるのが花の窟神社です。
花の窟神社は日本最古の神社ともいわれていて、日本書紀にも記されています。
2004年には世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されました。
この神社は、一言で言えば巨岩信仰の社。
普通の神社にはある本殿がここにはなく、岩窟を直接御神体として祀っています。
熊野速玉大社を参拝する前に朝早くから参拝してみました^^
花の窟は日本書紀にも登場する国生み神話の舞台
花の窟は、日本書紀の一書(神代巻上)にも登場する場所とされています。
言い伝えによると、「
この二柱の神は、日本を形作る国生みを行います。
最初に淡路島を作り、四国、九州、本州と次々に日本国土を形成していきます。
国生みを終えると次は海の神、風の神、山の神など、森羅万象を司る神々を生みました。
そして最後に産もうとしたのが、火の神「
伊弉冊尊はこの時に火傷を負って亡くなってしまいました。
日本書紀によると、伊弉冊尊はその後「紀伊国の熊野の有馬村に埋葬された」と書かれています。
その場所こそが花の窟とされているんです。
花の窟神社の境内はスピリチュアルな雰囲気漂うパワースポット
花の窟神社は自然信仰が残っている場所なので、無人の神社か、それほど手入れが行き届いていないものと思っていたのですが、行ってみると入口からとてもキレイ^^
参道を歩くと、手水舎の横に大きな丸石があります。
大きくて綺麗に丸い石で、注連縄をされています。
境内を掃除していた、おそらく宮司さん?によると、この石は御神体の巨岩の上から落ちてきたのだとか。
なのでとてもありがたい石で、狛犬が宿っているのだそうです。
手水舎が横にあるので、その水をかけて両手で触って念じると良いそうです。
「片手ではなく、両手で」ということを強調されていました^^
そしていよいよ御神体。
巨岩に祀られている御祭神は
御神体には絵馬石というものがたくさん奉納されています。
ここでは、絵馬の代わりに石で奉納するんですね。
御神体の穴のあいている所にも絵馬石が奉納されています。
イザナミを祀る巨岩の斜め向かいには、王子ノ窟と呼ばれる高さ12メートル程の岩があります。
そこには、イザナミが死んでしまう原因となった火の神様、
写真は残念ながら、御神体の前にテントが貼られていたので、良い写真が撮れませんでした^^;
軻遇突智尊はこれまた悲劇の神様で、自分が産まれてしまったことで母神様が死んでしまう原因を作ってしまいました。
そして怒った父神のイザナギが、軻遇突智尊を切り刻んで殺してしまうのです。
とはいえ、我が子ではありますからここで一緒に祀られているんでしょうね^^
毎年2回行われる花の窟神社の例大祭「御綱掛け神事」
上を見上げると、顔のように見える岩石から縄が伸びています。
縄は170メートルと長くて、御神体側からはどこに繋がっているのか全くわかりませんが、境内の南隅の柱に繋がっているようです。
この縄は毎年2月2日と10月2日に行われる「御縄掛け神事」で掛けられます。
花の窟から七里御浜の方まで伸びているんですね。
これはすごい^^
細い縄を7本束ねて太い縄にしているのですが、それはイザナミが産んだ7柱の自然神達を表しています。
級長戸辺命 :風の神様少童命 :海の神様句句迺馳 :木の神様草野姫 :草の神様軻遇突智尊 :火の神様埴安神 :土の神様罔象女 :水の神様
そして、旗縄になっているのは三貴神、天照大神、月読尊、素戔嗚尊を表しています。
写真では御神体から縄が2本伸びていて、それぞれに3つずつ旗縄があるのですが、これは古い縄がまだ残っているからです。
古い縄は御縄掛け神事の時に切ってしまうのではなく、自然に切れるまで残しておくのだそうです。
私が参拝したのは3月2日なので、まだ古いものも残っていたんですね^^
三貴神がダブルになっていて、とても縁起が良かったです♪
花の窟神社の隣には熊野の魅力を伝えるお綱茶屋がある
花の窟の鳥居の目の前には「道の駅 お綱茶屋」があります。
ここでは、飲食や熊野の特産品の販売をはじめ、花の窟の資料館もあるとのこと。
行きたかったのですが、朝が早すぎて開いていませんでした^^;
熊野名物のさんま寿司やめはり寿司も置いているようですし、休憩スペースもありましたので、次の機会に立ち寄ってみたいと思います。
花の窟の近隣には、巨岩奇岩の見どころがたくさん
この辺りは岩礁が多い熊野灘があって、花の窟の近くの海には鬼ヶ城や獅子巌という奇岩もあります。
下の写真は獅子巌。
こういう岩があることから熊野市は神話や伝説が豊富なのですが、その中でも代表的な場所が「花の窟」です。
花の窟神社は、「神社」というより「霊廟」の性質が強い場所です。
季節の花を供え飾って祀ったことから「花の窟」という名前がついているのだそうです。
知らずに訪れるとよくわからない場所になりそうですが、知るととても興味深い神社ですよ^^