吉野の金峯山寺から歩いて10分ほど登って、賑やかなお土産屋さん街から横に入ったところにある
今から1300年前、
それが、明治の神仏分離の時に神社に改められて誕生した神社です。
ご祭神は後醍醐天皇です。
境内はそんなに広くはありません。
ちょっとした庭園に、本殿、隣接する書院があるくらいです。
写真右側が本殿、左側が書院です。
実はこの書院、南北朝時代に南朝の後醍醐天皇が皇居としていた重要な場所でもありました。
その遺構が今でも残っているのですが、それだけではなく歴史的には色々な有名人が関わっていて、所持品などが多く残されている美術品の宝庫となっているので、歴史好きにはたまらない場所となっています。
また、吉野山の観桜スポットの1つでもあり、吉野山の中千本、上千本が見渡せる「一目千本」という場所もあります。
歴史上の人物の所持品が多数残る、吉水神社の書院
吉水神社の書院は、日本住宅建築史上最古の書院といわれ、世界遺産にも登録されています。
建物としても貴重なのですが、この中には吉水神社にゆかりのある歴史上の人物の所持品などが展示されている博物館になっています。
源義経・静御前・弁慶が潜居していた(平安時代末期)
平安時代後期、源平の戦いで活躍した源義経でしたが、独断で行動することがあったりしたために兄の源頼朝の怒りを買い、頼朝と対立、追われる身となりました。
追手を逃れて妻の静御前や部下の弁慶と共に5日間隠れ住んでいたのがここ、吉水院。
義経はその後、さらに追手から逃れるために大峰山に向かうのでしたが、大峯山は女人禁制の地。
残念ながら静御前とはここでお別れしないといけなかった・・・という悲しい物語が残っています。
境内にある書院には、「義経潜居の間」や「弁慶思案の間」などがあります。
さらには、義経の鎧や静御前の衣装、弁慶七つ道具の武装槍、弁慶の小手なども展示されています。
南朝の天皇、後醍醐天皇が皇居としていた(南北朝時代)
後醍醐天皇は、皇位継承がらみの問題で、鎌倉幕府に反感を持っていました。
そこで、鎌倉幕府を倒したのですが、一緒に戦った足利尊氏の離反にあい、吉野に逃げてきます。
そして、この吉水院で京都朝廷(北朝)に対し、吉野朝廷(南朝)を作り、南北朝時代が始まりました。
書院には、後醍醐天皇の玉座の間が残っています。
盛大な花見の宴をした豊臣秀吉(安土桃山時代)
花見好きの豊臣秀吉ですが、吉野でも吉水院を本陣として数日間滞在し、盛大な花見を行ったそうです。
吉水神社の境内に入ってすぐあるのが「一目千本」という場所。
高台から桜の山を見下ろせるスポットです^^
私は桜の時期に行ったのですが、残念ながらこの場所では既に葉桜^^;
一目千本の横に満開時の写真があったのですが、こんな風になるそうです。
一度は生で見たい景色ですね^^
豊臣秀吉がここを気に入って花見を開くのもわかるような気がします。
秀吉の妻、ねねはもちろん、豊臣家の家臣だった徳川家康や前田利家、伊達正宗、加藤清正、宇喜田秀家なども揃い、狩野派の絵師が襖絵や障壁画に腕をふるったそうです。
お茶会や能、歌会なども行ってかなり盛大だったようです。
書院内には、その時の襖絵や能面などが残っています。
書院の庭にも「豊太閤秀吉花見の本陣」と書かれている立て札が立っています。
見えにくいですが、その横には「義経・静御前 惜別の舞台」と書かれている札も立っています。
喜劇と悲劇の立て札が同じ場所に建っているのも珍しいですね^^;
これらの人物意外にも、一休さんこと「一休宗純」の水墨や、平安時代の歌人で百人一首にも登場する「蝉丸」の琵琶、水戸黄門に出てくる助さんの書状などもありました。
助さんが実在の人物だったのは初めて知りました^^;
吉水神社にある究極のパワースポット「北闕門」
上で紹介したように、吉水神社の書院は文化財の宝庫なのですが、書院の庭にはそれとは違ってもう1つの見どころ、
ここは「邪気祓所」ともいわれ、究極のパワースポットとされているんです^^
吉水院は元々、神聖な修行の場所である大峯山への入山許可書を発行していた場所なのですが、許可証を発行してもらう際、山伏たちはこの門の前で無事平穏を祈って邪気祓いを行ったそうです。
その邪気の祓い方ですが、
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」
と、指で十字に切りながら唱え、最後に「エイ!」と斜めに切ります。
これを大きな声で門に向かってやることで、邪気が払われるそうですよ^^
詳しくは門の横に説明書きがありますので、現地に行ってやってみて下さい♪
吉水神社の御朱印
吉水神社の御朱印です。
後ろが木の板になっているのは、「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録10周年記念の限定御朱印帳に頂いているからです。
この御朱印帳は、金峯山寺の蔵王堂前でも限定販売されています。
また、吉水神社にはオリジナルの御朱印帳もあります。
境内の絵が描かれています。
吉水神社の北闕門からは金峯山寺の蔵王堂が見えます。
蔵王堂から吉水神社までは15分くらいかかるのですが、それでもまだこの大きさで見えます。
存在感ありますね^^
その他、吉水神社には今だけ勝手神社のご祭神も祀られています。
勝手神社は、吉野山の鎮守神、勝手明神を祀る重要な神社だったのですが、平成十三年に不審火で焼失してしまい、仮にここで祀られています。
なので、勝手明神の御朱印もこちらで頂けます。
再建する予定はあるそうなので、私は復旧してから御朱印を頂こうと思います。
早く復旧して欲しいですね。