沖縄県那覇市、国際通りから歩いて15分~20分くらいのところにある
沖縄にはニライカナイ信仰といって、海の彼方にあるとされる海神の国を拝む信仰があるのですが、波上宮はその霊応の地で、日々祈りを捧げられていました。
そこに日本の熊野信仰が入ってきてから、王府が社殿を建てて国家鎮護の社として篤く祀ったのだそうです。
崖の上から海に面したこの場所は、中国・南方・朝鮮・大和などとの交易基地であった那覇港に立ち寄る船が必ず通る場所。
琉球王国時代、このあたりは島になっていて、政治の中心である首里に対し、外国と交易する玄関口でした。
神社のある場所は見晴らしが良く、船から見ても目印になっていたので、航海の無事と感謝の祈りを捧げるのに最適な場所だったのです。
琉球は貿易を支えにしていましたから、波上宮が重要な位置付けだったことが想像できます。
波上宮の社殿は沖縄らしい赤瓦
波上宮は観光客が多く、境内はキレイに整備されています。
しかも、日本人というよりも、中国、韓国、台湾の人が多いようです。
ガイドブックに載っているのでしょうね^^
波上宮の拝殿は、赤瓦の沖縄らしい屋根になっています。
手水舎も赤瓦。
こちらが拝殿。
両脇で本殿を守っているのは、獅子と狛犬ではなく、シーサーです。
沖縄を繁栄させた恩人を祀る摂社もあります。
そして本殿に祀られている御祭神は
【主神】
伊弉冉尊 速玉男命 (左神座)事解男命 (右神座)
【相殿神】
竈神 (火神 )産土大神 少彦名神 (薬祖神)
です。
社殿も、熊野権現の神託で建てられたようです。
波上宮の縁起がこのようになっています。
往昔、南風原に崎山の里主なる者があって、毎日釣りをしていたが、ある日、彼は海浜で不思議な”ものを言う石”を得た。
以後、彼はこの石に祈って豊漁を得ることが出来た。
この石は、光を放つ霊石で彼は大層大切にしていた。
このことを知った諸神がこの霊石を奪わんとしたが里主は逃れて波上山(現在の波上宮の御鎮座地で
即ち、
「吾は熊野権現なり。この地に社を建てまつれ、しからば国家を鎮護すべし」
と。
そこで里主はこのことを王府に奏上し、王府は社殿を建てて篤く祀った。
そのようなことから、ニライカナイの神ではなく、熊野権現が主神になっているようですね。
波上宮のお守り
授与所で販売されているお守りには沖縄らしいものも。
真ん中にあるカラフルなお守り「紅型守」などは、ここでしか買えないお守りですね。
沖縄の紅型工房に行くと体験できるところもあるので、興味のある方はやってみると良いですね。
波上宮の御朱印
波上宮の御朱印です。
御朱印は赤瓦の授与所で頂くことができます。
普通、御朱印を頂くときは授与所の受付で御朱印帳を渡し、その場で書いていただきますよね。
書いている間はその場で待ちますが、ここでは御朱印帳を渡すと、隣にある参集殿のような待合室に案内してくれました。
参集殿ではエアコンがガンガンきいていて、日差しの強い外から入ってくるととっても気持ちいい^^
そのようなちょっとした気遣い、嬉しいですね♪
波上宮のすぐ隣には、旭ヶ丘公園があります。
入り口の鳥居から本殿へ向かう途中の右側、駐車場のところから行けます。
この公園は波之上ビーチにつながっています。
今でこそ橋がかかっていたり、人工的に埋め立てられたりしていますが、昔はここは一面が海で、貿易船が行き来していたんでしょうね^^