滋賀県大津市、三井寺のすぐお隣にある
皇室にゆかりのある門跡寺院で千年以上の歴史があります。
宇治には平等院という有名な寺院がありますが、この名前はもともとこの圓満院の名前だったんです。
宇治の平等院というと元・藤原道長の別荘地だったのは有名ですね。
それが道長の子の藤原頼通の時代に寺院にすることになり、「平等院」という名前を譲ったのです。
そういう経緯で圓満院は、室町時代後期まで「三井平等院」とも呼ばれていました。
現在は、水子供養のお寺という色が強く、供養をしに来られる方が多いようです。
境内はそんなに広くないですが、観光としては、名勝史跡指定されている室町時代の造園家、相阿弥による「三井の名庭」や大津絵美術館などの見どころがあります。
体験も色々あって、写経や座禅の他、宿坊「三密殿」に泊って1日僧侶体験ができたり、平安時代の貴族の遊び「投扇興」なども体験できます。
大津絵って?
「大津絵」というのは、江戸時代に東海道の大津宿でお土産物として有名になった民画です。
元々は仏画だったのですが、時代と共に世俗画になり、風刺や教訓を描いたり、護符になったりして、浮世絵と並ぶ日本二大民画だったんですね。
芸術的に「すごい!」と思わせるようなものではありませんが、どこか親しみが感じるような絵です^^
上の写真は、大津絵で一番有名な「鬼の念仏」という作品。
お坊さんの格好をしていていかにも慈悲深そうなのに、実は中身は鬼だった、という絵です^^
大津絵にはこういうモチーフがあって、同じモチーフを色々な人が描くのですが、描き手によって違うのも面白いところです。
下は、三井寺の百体観音堂にかけられている「鬼の念仏」です。
同じモチーフでも大きく違いますね^^
代表的な図柄は10種類ほどで、今ではこういう教訓画の大津絵が有名ですが、大津絵美術館では阿弥陀三尊来迎図や十三仏、青面金剛など、仏画時代のものも展示されています。
堂内なので写真で紹介出来ないのが残念ですね^^;
大津絵だけでなく、江戸期の写実派の大家円山応挙の絵や、平安時代後期の天台宗の高僧、
名前の通り、おならで相手を倒すというものです^^;
今のギャグ漫画のようなものが、平安時代からあったんですね(≧▽≦)
鳥羽僧正は、鳥獣戯画の作者では?とも言われている人物で、マンガの祖ともいわれていて、それだけユーモアのある作風が多くて、「鳥羽絵」とも呼ばれます。
ちなみに、圓満院の拝観受付では、大津絵のポストカードや色紙の他、「放屁合戦」も販売されています。
「放屁合戦」は3,000円でした^^;
私は、大津絵のポストカードを3枚購入しました♪
圓満院の御朱印
圓満院は、近畿三十六不動尊第二十五番札所となっています。
御本尊の金色不動明王の御朱印です。
御本尊は秘仏となっています。
圓満院は、2009年5月に重要文化財の宸殿や庭園などが競売にかけられる事件があったそうです。
それで同じ滋賀県の甲賀市の宗教法人が落札し、所有権の移転も完了しているらしいのですし、色々と問題があるようですが、庭園も大津絵も見られて良かったです^^
本堂側から見る宸殿と池泉観賞式庭園も綺麗でした♪