大森山にある普門寺から余呉川を渡ったところにある、東柳野という集落。
姫塚古墳という滋賀県最大の前方後円墳があることで有名な集落です。
ここは、西野地区にある正妙寺のところで述べましたが、琵琶湖畔にあった阿曽津という津波で湖に沈んだという大きな集落の人々が移り住んできた土地です。
ここにある長命寺は、建久年間(1190~1199)、藤原資通の護持仏であった薬師如来をもって創建されました。
寺伝が少ないので詳細はわかりませんが、現在もその像が伝わっていますので、参拝しに行ってみました。
こちらが薬師堂です。
薬師堂の扁額は、ヤンマーディーゼルの創業者、山岡孫吉が書いたそうです。
山岡孫吉は滋賀県高月町の出身。
つまり、このあたりで幼少期を過ごしています。
すぐ近くにヤンマーの大森工場もありますし、長命寺にも深い関わりがあったのでしょうね。
そしてこちらがお薬師さんです。
御本尊も厨子も、とても鎌倉時代のものとは思えないような輝きをしているのですが、これは数十年ほど前にこのような姿になったのだそうです。
世話方のおじいさんの話によると、昔、御本尊様の漆がはげて汚れが目立ってきたので、しかるべき専門家に相談したのだそうです。
修復してもらおうと預けたところ、修復するだけでなく、金箔まで貼ってしまったのだそうです。
なので時代感覚が失われたと残念そうにおっしゃっていました。
御本尊様は、50年ほど前までは集会所の2階にいらっしゃったそうで、その時はまだ古いお姿。
そのおじいさんも古いお姿を拝んでいたそうです。
今の状態でも立派なお姿ですから、古い状態を維持していたのなら重要文化財に指定されていたかもしれませんね。
そして、薬師堂から道路を挟んで向かい側には、
こちらの主祭神は豊玉姫命。
そして相殿に
聞き慣れない名前ですが、この神様は、唐川日吉神社境内の観音堂、つまり、赤後寺のコロリ観音の化身なのだそうです。
赤後寺には、手先・化仏が失われた千手観音と聖観音が祀られていて、二尊あわせてコロリ観音というのですが、その二尊の足柄と像底に「久留弥多大名神」「御本地」と書かれた墨書があるそうです。
これは、久留弥多神の本来の姿(本地仏)であることを示しています。
なぜここで祀られているのかはよくわかりません。
薬師堂と何らかの関係があるのでしょうか?
わかりませんが、その謎が解けると面白そうな気がします^^
売比多神社の境内には、ふるさとまつりで訪ねてくる参拝者の接待をする集落の方がたくさんいました。
お茶やスイカ、お菓子、いろいろ頂いたのですが、ここにしかないものもあります。
それがこの長命水。
なんとも御利益がありそうな♪
飲んでみると、まろやかで美味しい水でした^^
何か由緒があるのか聞こうと思ったのですが、バスが来てしまい、急いで乗ったので聞きそびれてしまいました^^;
ご朱印
長命寺薬師堂のご朱印です。