岩間山正法寺(通称:岩間寺)は、滋賀県大津市にある、真言宗醍醐派のお寺です。
西国三十三所 第十二番のお寺でもあります。
養老6年(722年)、病気平癒祈願に功のあった泰澄大師が、元正天皇の勅命を受けて建立しました。
御本尊は金銅千手観音立像で、「汗かき観音」、「雷除観音」、「厄除観音」とも呼ばれています。
伝承によると、開祖の泰澄大師が霊地を求めて諸国を行脚していたところ、岩間山の山中の桂の大樹より千手観音の功徳(くどく)を説いた経、千手陀羅尼の心理を悟り、その桂の木で自ら等身の千手観音像を刻んだそうです。
その胎内に元正天皇の念持仏、金銅千手観音像を納めて祀っています。
残念ながら御本尊は秘仏で、よほど特別な機会がない限り公開されません^^;
岩間寺は、滋賀県と京都府の県境にある標高445mの岩間山にあって、境内からは琵琶湖から他府県に流れていく唯一の川、瀬田川流域が見渡せます。
岩間寺の境内散策
岩間寺の境内までは、くねくねの山道を車で登ってたどり着きます。
駐車場に車を止めると、お寺とは思えないような物騒な黄色い看板がいくつも立っています。
(写真は撮らなかったので、下のリンク先を参考にして下さい)
感情的に何かを訴えていて、誰が何を訴えたいのかよくわからなかったのですが、岩間寺では今、色々と問題が勃発しているようです^^;
参考:岩間寺境内のおびただしい立て看板について
詳しく知りたい方は上のリンク先のサイトを参照して頂くとして、以下は境内散策。
入山料は300円です。
入口を入って少し先で、最初にに出会うのはぼけ封じ観音さま。
後ろには鐘楼堂があって、突くこともできます。
岩間寺は、ぼけ封じ近畿十楽観音の4番札所になっています。
12月17日には、ぼけ封じ健康長寿大根焚きが行われるそうです。
観音様の足元には、佛足石という足の形が描かれた石があります。
この石の下にはぼけ封じ近畿十楽観音の10ヶ寺の砂が納められていて、その砂を踏むようにこの足の形になっているようです。
砂を踏みながら祈ると、観音様と御縁が結ばれます^^
よく、四国八十八ヶ所の砂が納められているお寺で、それを踏みながら祈れば八十八ヶ所お参りしたのと同じ功徳があるというものがありますが、おそらくここも10ヶ寺に参拝したのと同じ功徳があるんでしょうね^^
なので私も佛足石の上で参拝し、鐘を鳴らしておきました^^
参道を進むと、次は「白姫龍神」を祀った磐座があります。
石川県に白山という神体山がありますが、開祖の泰澄大師が白山で修行中、白馬に乗った美女に出会ったそうです。
その美女は何と実は、白山妙理権現という白山に住む神様だったんですね^^
そこでその御縁から大師は岩間寺に白姫龍神を勧請して祀ったんだそうです。
特に女性が拝むと美人になるそうですよ^^
白姫龍神の後ろ側にはベンチがあって、岩間山から下を一望できるようになっています。
景色もバッチリですね♪
この場所から山を下る細い道があって、そこを行くと「雷神爪掘の湧泉」や「蓮池」があるようですが、そこは後にしてひとまず本堂へ^^
白姫龍神の斜め向かいには、本堂への入口と言わんばかりに、仁王像が立っています。
太陽の光で見えにくいので、一体ずつ見るとこんな感じ。
ここをまっすぐ行く道に大師堂、稲妻龍神社があり、奥には本堂があります。
こちらが本堂。
岩間寺には、「長寿水」、「厄除水」と言われている霊水があるのですが、本堂横にペットボトルに入れられて売られていました。
500mlで1本300円です。
本堂横には「芭蕉池」という池があります。
実はこの芭蕉池、松尾芭蕉の超有名な俳句、
「古池や 蛙飛び込む 水の音」
が詠まれた場所と言われています。
この池の周りには蛙が何匹もいて、しばらく全く動かなかったので、「置き物なのかなあ?」と思っていると、急に池に飛び込みました!
生の「蛙飛びこむ 水の音」が聞けてラッキー♪
ちなみに横の岩の文字は、芭蕉直筆らしいです^^
本堂の向かいには、「夫婦桂」という桂の木があります。
この桂の木は、冒頭で紹介した、泰澄大師が千手陀羅尼を感得したと言われている木です。
台風などで倒れたこともあって、現在の木は3代目です。
ここからさらに奥に行くと、八大龍王堂があって、その後ろには山の斜面沿いに日本一の桂の大樹群があるとのこと。
行ってみると、こんな大きな桂の木が斜面の下から伸びていました^^
写真ではわかりにくいですが、35m以上あってかなりの大きさです。樹齢は推定500年なんだとか。
桂の大樹群は、日本随一なんだそうです^^
ここから先は岩間寺を抜け、奥の宮神社や上醍醐寺に行ける(かなり遠い^^;)そうですが、ここから仁王像の所まで引き返して、先ほど後回しにした、「白姫龍神」の後ろの下り道を行きました。
そこには、「雷神爪掘の湧泉」があります。
泰澄大師の弟子となった雷神が、当時水の乏しかった岩間山に自らの爪で井戸を掘って霊水を湧かせたと言われているところです。
"湧泉"ということで、岩間の水が汲めるのかなあ?と思ったら、水が流れているところが見当たりません。
よく見ると、井戸に蓋がされていて、取っ手で開けるようになっていました。
この水は飲めるのかどうかわからなかったので、手水だけにしておきました^^;
そしてそこから進むと「蓮池」があるということで行ってみたのですが、
こんな感じでした^^;
なんだか手入れされていない感じですね^^;
境内は全て散策したのですが、なんだか全体的に寂れてしまっている印象でした。
本堂での話によると、お坊さんの数も少なそうでしたし、手が行き届いていない感じですね~。
岩間寺の御朱印
岩間寺は3つの霊場の札所になっています。
- 西国三十三所 第十二番札所
- 近畿十楽観音 第四番札所
- びわ湖百八霊場 第二番
です。
私は西国三十三所の分だけ頂きました。
そしてこちらは御詠歌です。
「水上は いづくなるらん 岩間寺の 岸うつ波は 松風の音」
と書かれています。
ご縁日の毎月17日には、JR・京阪石山駅から岩間山行きシャトルバスが運行されているようです。
しかし、岩間寺では檀家さん達と色々ともめ事があるようで、境内の荒廃ぶりもその影響とも言われています^^;
元々は綺麗なお寺だったそうですが、できることなら元に戻って欲しいものです^^