アニメ『ちはやふる』で有名になった近江神宮。
上の写真は楼門ですが、アニメの中でもよく出てくる風景ですね^^
主祭神は
旧官幣大社・勅祭社です。
近江神宮は、かるたの神社、時計の神様としても有名です。
近江神宮の神様、天智天皇って?
第38代天智天皇は奈良時代の天皇で、645年に「大化の改新」を行った
一般的には中大兄皇子の方が有名かもしれませんね^^
当時は中国大陸(唐)や朝鮮半島(新羅)による日本侵攻の危機にある時代でした。
(朝鮮半島の百済は660年に唐・新羅軍に滅ぼされました)
そこで、天然の防御性に富む土地柄で、交通の要として重要な場所だった近江に都を遷し(667年)、近江大津宮(通称:大津京)を作りました。
近江なら、新羅や唐と敵対関係にあった高句麗とより強力な連携を築くことができたんですね。
(琵琶湖⇒若狭湾⇒日本海⇒高句麗と、アクセスが近いため)
さらに、憲法の源をなす「近江令」を制定して律令制の基礎を形成し、国家としての形を作りました。
戸籍の制定(庚午年籍)や土地制度の改革(班田収授)、そして国民教育として学校制度を作ったのも天智天皇です。
そのような実績から、天地天皇は歴代天皇の中でも別格の位置におかれ、歴代天皇の即位に当っての宣命には、かならず天智天皇のことに言及されているのだそうです。
そんな天智天皇を祀る近江神宮は、地元をはじめ全国から崇敬が厚い神社なんです。
かるたの殿堂としての近江神宮
近江神宮はかるたの殿堂と言われていて、かるた愛好者の間ではかるたの聖地とされています。
絵馬でもかるたをやっているところが描かれています^^
境内には百人一首に選ばれているそれぞれの歌が、イメージ写真を背景にして飾られています。
なぜ近江神宮がかるたの殿堂になっているのか?というと、それは、小倉百人一首の巻頭に天智天皇の歌が詠まれているからです。
「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」
という歌ですね^^
百人一首は、天智天皇から600年程の間に詠まれた、当時の代表的な歌人の秀歌の中から選ばれた百選なんです。
だから天智天皇がトップなんでしょうね^^
近江神宮内の近江勧学館では競技かるたの全国大会も行われていて、全国から人が集まります。
正月には「かるた名人位・クイーン位決定戦」なども行われます。
そして、1月の中頃には新年恒例のかるた初めの行事「かるた祭・かるた開きの儀」が行われます。
そのようなところから、「かるたの聖地」と言われているんですね^^
さらに競技かるたをテーマにしたアニメ『ちはやふる』でいっそう有名になりました。
時計の神様として祀られる天智天皇
近江神宮は、時計メーカーからの崇敬も集めています。
日本で初めて「時刻」の制度を作ったのが天智天皇なんですね。
日本書紀には「初めて漏刻を用い鐘鼓を鳴らして時を知らされた」と記録されています。
近江神宮の境内には日時計や火時計、水時計(漏刻)、時計館宝物館(入館料300円)があります。
上の写真は時計館宝物館と日時計です。
日時計は太陽の動きと影の位置で時刻を知るものですが、それが2つ置かれていました。
どちらも午前10時ちょうどに見たのですが、確かに10時を示していました^^
赤いほうの日時計は、「精密日時計」といって、5分刻という世界最高の精度を誇るのだそうです。
そしてこちらは火時計。
発音は同じですが、"日" ではなく "火"です^^
日時計が昼間の時間を計るものであるのに対して、こちらは主に夜間の時間を計るために使われたものです。
龍の背中から等間隔に、計14個の銅球が糸で吊り下げられています。
背中にある糸の下に線香を置き、火を燃え進ませることで糸を焼き切り、球が落ちて下に設けられたドラが鳴って時を告げます。
銅球の1間隔はおよそ2時間です。
しかもこの火時計はROLEX(ロレックス)社が奉納したものなんです!
そしてこちらが、天智天皇が設けたという漏刻(復元)です。
写真では壺が段になっていますが、上から順番にサイフォンの原理を利用して水が一定の速度で一段ずつ下がりながら満たしていきます。
一番下の壺には矢が置かれていて、矢にはメモリが刻まれています。
一定の速度で水位があがるので、それに応じて矢が浮きあがり、メモリを読むことができるようになっています。
この漏刻では、1メモリで10分を示すようになっています。
近江神宮では、毎年6月10日を「時の記念日」として、近江神宮で漏刻祭が開かれます。
境内散策
近江神宮の第一鳥居。
鳥居と社号標に風格がありますが、その間に「ちはやふる」の看板がでかでかと立っています^^;
社号標は日中戦争期の首相、近衛文麿の筆になるもの。
長くて広い参道を進むと第二鳥居があります。
こちらも風格がありますね^^
トップの写真にも使った楼門。
2階建ての大きさで、近くで見ると大きいですね。
楼門には近江神宮の桜の神紋が掛けられています。
楼門をくぐると、立派な外拝殿が見えます。
外拝殿から見えるのは内拝殿。
本殿ではありません^^
外拝殿、内拝殿、本殿は、下の写真のように回廊で繋がっています。
このように、外拝殿、内拝殿、本殿が回廊で繋がっている作りを近江造り(又は昭和造り)と呼ばれていて、国の重要文化財になっています。
本殿までは回廊で繋がっていても行くことはできませんが、回廊の途中から本殿の千木と鰹木を遠目で見ることができます^^
近江神宮のお守り・御朱印
近江神宮で頂いた御朱印です。
お守りもこういうものがありました。
右は、時間の神様らしい「ときしめす守」。
「進むべき時、進むべき道」を占めて下さるそうです。
「決断と前進への守護」ですね^^
何か新しいことを始めたいけど踏ん切りがつかない場合に良いかもしれません。
左は「三つ目守」。
近江神宮の時計館宝物館の二階に、六つの目を持った鬼の面があります。
※写真はパンフレットより
これは
方相氏の面は通常は四つ目なのですが、近江神宮の面は六つ目。
「過去・現在・未来」を見つめる霊力があるのだそうです。
将来の開運を展望するお守りなのだそうです。
お守りは三つ目になっていますが、その方がかわいいからでしょうね^^;
時間に関係する、鶏鳴と時を告げる太鼓を象った「斗鶏太鼓土鈴」という縁起物も面白いですね^^
近江神宮の駐車場横に「十割そば 善庵」というお店があります。
参拝者休憩所ですが、ここは登録文化財なんです。
そして、そばにこだわりのある主人が打つそばは格別!
私は今までに2回頂きましたが、内容はまた別記事で紹介しようと思います。
ここはオススメですよ♪
予約で食べられるコースは特にオススメです。