多賀大社

伊勢神宮に祀られているのは、日本人の総氏神、天照大御神ですが、天照大御神の親神様を祀るのが、滋賀県の多賀町にある多賀大社です。
「お多賀さん」とも呼ばれています。

親神様というのは、

  • 伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)
  • 伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)

のこと。
この2柱の神様は、天照大御神だけでなく、日本の国土や八百万の神々をお産みになられた、すごい神様です^^

「お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」
「お伊勢七度熊野へ三度 お多賀さまへは月参り」

ともいわれていて、伊勢神宮を参詣する伊勢詣、熊野三山を参詣する熊野詣などと並ぶ参詣の賑わいをみせていたんです。
それだけものすごい力のあるパワースポットなんですね^^

境内は広く、拝殿も立派です。

多賀大社 拝殿

神々の住む高天原で初めて夫婦になった神様ということで縁結びのご利益、そして、たくさんの神々を産んだという「命」を司ることから延命長寿のご利益が得られるそうです。

多賀大社のご利益ポイント

多賀大社は、延命長寿や縁結びのご利益があるとされています。
ここでご利益を預かった歴史人が3人いらっしゃいます。

一人は奈良時代の天皇、元正天皇。

帝はある時、病にふせてしまったんですね。
そこで多賀大社の神官が、元正天皇の病気平癒を祈念して強飯を炊いて、シデの木で作った杓子を添えて献上したんです。
すると帝の病は全快したのだとか。

それから多賀大社では、「お多賀杓子」という杓子を縁起物のお守りとしています。
(お守りの写真を撮るのを忘れてしまったので写真がありません^^;)

絵馬も杓子の形になっています。

多賀大社 絵馬

そして三人のうちもう一人は鎌倉時代に東大寺再建に力を注いだ僧、重源。

拝殿の横には、寿命石が置かれていますが、その石には重源の伝承があります。

寿命石

ある時重源は、後白河上皇に東大寺再建を命じられました。
しかしその時すでに高齢だったため、完成まで生きていられるかどうか心配になりました。
そこで、まずは伊勢神宮に三度参拝すると、天照大御神が夢に現れ、

「寿命を延ばしたくば、多賀の神に祈願せよ」

といわれ、重源は多賀大社に参籠しました。

満願の日の朝、重源の前に「莚」の字のある1枚の虫喰いの柏葉が落ちてきました。

その字は「廿」と「延」に分けられていて、「廿」は「二十」の意味。
つまり、二十年の延命を頂き、東大寺再建を成功させたのです。

重源は、この大事業を成し遂げた後、多賀大社にお礼に赴きました。
そして、境内の石に坐り込むと、そこで眠るように亡くなりました。
その石が「延命石」です。

延命石の横には、願いが込められた白石がたくさん納められています。

多賀大社 延命石 白石

石には昔から「延命」に限らず、縁結びなどいろいろな願いが込められています。
白石は授与所で頂くことができます(初穂料500円)。
住所氏名と願い事を書いて延命石の横に奉納すると、後で本殿の庭に敷いてもらえます。

最後の一人は豊臣秀吉。
秀吉は、母である大政所の病気平癒を多賀大社で願い、ご利益に預かりました。
そのため、多賀大社に厚い信仰を寄せているんです。
社殿改修や寄進などを行っていて、入口ある「太閤橋」と呼ばれるそり橋も、秀吉が寄進したもの。

多賀大社 太閤橋

今では多賀大社のシンボルになっています。

多賀大社 太閤橋

この橋、とても急なので丸太の滑り止めが置かれています。
そこに手をつき、足をかけないと登れないほどですが、例大祭の時は御神輿(おみこし)が通るそうですよ♪

その御神輿、神輿庫で見ることができます。

多賀大社 お神輿

結構立派なお神輿です。

太閤橋は、参拝の時にだれでも渡ることができます。
無理に渡らなくても参拝はできますが、渡ると何かご利益がありそうですね^^

多賀大社の御朱印

多賀大社の御朱印です。

多賀大社 御朱印

多賀大社には、オリジナルの御朱印帳があります。

多賀大社 御朱印帳

入口の太鼓橋の見える風景です^^


多賀大社の名物といえば、糸切餅。

多賀大社の門前には、「多賀や」と「莚寿堂本舗」があります。
そして、多賀大社前駅から多賀大社に向かう途中にも「ひしや」という糸切餅屋さんがあります。

結構美味しいのですし、安いので、多賀大社に参拝の折にはぜひ食べてみて下さい^^
莚寿堂本舗ならお店で頂くこともできます。