鶴屋益光

滋賀県大津市、日吉大社の門前町となっている坂本に、鶴屋益光という和菓子屋さんがあります。

日吉大社はもちろん、比叡山延暦寺西教寺、近江神宮の御用達、明治時代から続く創業100年以上の老舗。
京都の老舗和菓子屋、鶴屋吉信から暖簾分けしたお店なのだそうです。

場所は日吉大社へ向かう参道から、日吉そばさんの手前の角を曲がって3軒ほど先にあります。

ここの名物は比叡のお猿さんというお猿の形をした最中。

なぜ猿なのか?というと、比叡山や日吉大社など、山王信仰が盛んな寺社では、猿を神の使いとして神聖視されているからです。

日吉大社では、「魔が去る」ということや「勝る」という意味で、神の使いである猿のことを「神猿(まさる)さん」と呼んでいます。
「比叡のお猿さん」はそんな神猿さんをお菓子にしたものです。

日吉大社をお参りした帰りに買いに寄ってみました。

鶴屋益光 さる

お店の前には、お猿さんのぬいぐるみが座っています。
手に持っているものは比叡のお猿さんです^^

お店では比叡のお猿さんの他にも色々あったので、3つほど選んで買ってみました。

まずはこちらが名物の比叡のお猿さん

鶴屋益光 比叡のお猿さん

可愛らしいパッケージ^^
中を開けると、お猿さんが出てきました。

鶴屋益光 比叡のお猿さん

子供を抱いたお猿さんです。
最中を横から開けて中身を確認。

鶴屋益光 比叡のお猿さん

こしあんがぎっしり。

食べてみると、甘さが控えめなので、ぎっしりでもちょうどよい甘さに仕上がっていました。
最中も香ばしい♪

刻み栗も入っているそうで、普通に食べていると最中の香りでわからないのですが、香りの感度を高めながら食べてみると、最中の香りが落ち着いた頃に栗のような香りが出てきました。

隠し味のような効果を出しているのかもしれませんね^^
味わいながらゆっくり食べたいお菓子です。

次は、穴太衆積(あのうしゅうづみ)

穴太衆積

こちらも坂本の歴史にちなんだお菓子になっています。

坂本は石積みの町とも呼ばれているのですが、それは安土桃山時代に活躍した石工集団「穴太衆」が住んでいた町なのです。
穴太衆の石積み技法は美しく堅牢で、その優れた技術は信長に見いだされ、城郭に用いられるようになったことから全国にその名が知れるようになったんですね。

坂本の町には今でも至る所にその石垣の美しさを見ることができます。

穴太衆積

その石垣を模したお菓子がこの「穴太衆積」です。

こちらも最中にあんこが入ったお菓子なのですが、中身の餡はつぶあんになっています。

穴太衆積

「比叡のお猿さん」と同じく甘さ控えめで食べやすいです。

こちらの方がボリュームがあるので、つぶあんの舌触りが好きな方や、より満腹感が欲しい方はこちらがオススメです。

そして次は比叡の樹林

比叡の樹林

こちらは洋風の生地で焼き上げた饅頭で、中が黄身餡になっています。

比叡の樹林

こちらはよくある和菓子屋の味ですが、美味しいですね^^
紅茶やミルク系と一緒に食べたい味わいです。


坂本は古くはそばを栽培していたそうで、そばも名物になっています。

日吉大社の境内では、社殿を沿うように水路が敷かれ、そこをきれいな水が流れているのですが、それだけ水が豊かだった地であることがわかります。
今回の訪問では頂いていませんが、きっとおそばも美味しいでしょうね^^

そして、鶴屋益光では「そば饅頭」という饅頭もありました。
また今度、そちらも頂いてみたいと思います。