石山寺のご本尊 如意輪観世音菩薩は、日本唯一の勅封秘仏、つまり天皇の勅命で封印されている秘仏。
2016年の石山寺は、33年に1度の御開帳の年にあたります。
石山寺では紅葉の時期にライトアップが行われるので、それに合わせて行こうと思い、見頃の時期に合わせて行くことができました。
幻想的に演出されたライトアップ!
石山寺の紅葉は、例年なら11月中旬~下旬です。
今年はちょっと早めで、11日の時点で見頃を迎えていました。
京都・滋賀の周辺では、大原の三千院と、奥比叡が見頃とのこと。
石山寺はそんなに奥深い山の中ではないのですが、境内に多少の高低差があって順に色づくので、わりと長い間楽しむことができるんですね^^
私が訪れたのは13日です。
入り口の東大門から先の参道はいつも整えられているのですが、ライトアップの時間は灯籠も置かれていて、幻想的になっていました。
葉がすべて紅葉しているわけでもないのですが、ライトで照らされた境内はきれいですね^^
「石山」の名前の由来になった硅灰石周辺。
多宝塔をバックにしたこの景色がやはり一番の見どころかもしれません^^
本堂の手前にある蓮如堂では、石山寺縁起絵巻が上映されていました。
堂内から蓮如堂の障子に映す演出です^^
6分半のアニメーションで、子供でも分かりやすい内容になっています。
源頼朝が寄進したという鐘楼の上には、スーパームーン前夜の月が見えました。
ちなみに鐘楼には、福徳・縁結びの御利益のある心願成就の鐘がつるされています。
普段は撞くことができず、チャンスは除夜の鐘の時のみなのですが、今年は33年に1度の御本尊の御開扉年ですので、特別に撞けるようになっていました!(志納金300円)
そして、紅葉ではないですがこちらも見どころ。
多宝塔のライトアップ。
多宝塔の後ろからビームが出ているのですが、まるでスターウォーズみたいですね^^
石山寺の多宝塔は、多宝塔の中でも最も美しいと言われています。
確かに、昼間みてもきれいなのですが、ライトアップもなかなかのものです。
そして忘れてはならないのが、多宝塔の中。
快慶作の大日如来坐像がいらっしゃるんです!
この大日如来はちょっと黒い色合いでして、普段は多宝塔内も暗くなっているので、覗いてもちょっと見えにくいのですが、ライトアップ期間は仏像もライトアップされています!
良く見えますのでお勧めです^^
他にも、硅灰石前にある毘沙門堂などのお堂も仏像がライトアップされていました。
間近で拝める!33年に1度 秘仏ご本尊御開帳
石山寺の御本尊、如意輪観世音菩薩は、日本で唯一の勅封秘仏です。
御開帳は33年に1度か、天皇の御即位の時など、特別な時のみ。
御開扉の時は天皇の使者が訪れて、御本尊がいらっしゃる宮殿の扉が開けられるのだそうです。
2016年は33年に1度の御開扉の年という貴重な年です。
そして今回、御本尊が安置されている宮殿の裏側まで回って展示物を拝観できるそうで、史上初の試みなのだそうです。
こちらが拝観前にいただいたリーフレット。
閉ざされた扉が開いた風にデザインされていますね^^
御開帳はもちろん本堂で行われているのですが、本堂の外陣までは誰でも入ることができます。
そこからさらに有料拝観料500円を支払うと内陣に上がることができるのですが、ご本尊は丈六(約4.8m)の大きさなので、なんと外陣からでも御開帳されているご本尊を見ることができるのです!
ただやはり、内陣に上がると格別でした!
なんと、大きな御本尊が1mもないくらい近くで見ることができます!
そして脇侍の、執金剛神や蔵王権現、弘法大師作と伝わる不動明王もじっくり見れます。
どれも素晴らしい仏像ですので、それが500円で見れるのはなかなかお得です^^
まずは御本尊。
平安時代後期の作で、右足を曲げ、左足を踏み下げて座るお姿をされていました。
注目は座っている場所。
なんと、ゴツゴツとした自然石の上に蓮華台をゴザのように敷いてすわっていらっしゃるんですね。
これは石山寺ならではの特徴です。
左手は救いの手を伸ばすようにしており、右手は優しく蓮華の茎を持った状態です。
着衣にはところどころに彩色が残っているのが見られます。
下から見上げる形になるので、圧倒されるような秘仏の威厳というか、そういうものを感じられて、中々鳥肌ものでした^^
そして脇侍の執金剛神もなかなかのものでした。
180cmの立像とのことですが、がっちりとした体形で、胴長短足だったので、160cmくらいに見えたんですよね。
でもよくよく見ると自分よりも高い仏像でした。
そして足元あたりは「像」ではなく本物の生物のようにも感じました。
本堂の裏手にも回ることができ、そこでは初代の御本尊の塑像断片と、2002年に現在の本尊の胎内から見つかったという4体の胎内仏が展示されていました。
実は石山寺の本堂は、承歴2年(1078年)に火災にあっているんです。
なので、現在の御本尊は平安時代に造られた二代目なんですね。
初代の御本尊は天平時代まで遡る古いもので、全体が塑像で造られていたのだそうです。
石山寺の、創建には聖武天皇が関わっていますので、華美な彩色も施されていたそうです。
現在は残念ながら断片しか残っていないのですが、そんな初代御本尊には胎内仏があって、実はそれが現本尊から見つかったというのです。
飛鳥仏が残っている例は非常に少ないですから、石山寺がいかに古くから信仰されてきたのかがわかりますね。
しかも火災の時は本尊に守られていたということで、ほぼ原形をとどめているのがすごいです!
どの像も優しく微笑んでいるお姿で、かなり古い時代の仏像にも関わらず、豊かな像容でした。
石山寺の外陣から天井の柱を見ると、御本尊と脇侍の執金剛神、蔵王権現がセットになった懸仏が掛けられています。
今まではそれを見ても何とも思わず、お前立の像ばかりを見ていましたが、今回の御開帳でこれが三尊を写した懸仏なのだということがわかりました。
御本尊は御開帳が終わるとまた秘仏に戻りますが、今後は懸仏を見れば、「この仏さまが祀られていたなあ」と思いを馳せることができそうです^^
石山寺の特別拝観は2016年12月4日(日)まで。
12月4日の最終日の内陣拝観は、正午で受付を終了して、その後は御閉扉法要を行うそうです。
最終日に拝観されに行く方はご注意ください。
ライトアップの方は、11月12日(土)~27日(日)となっています。