大阪市立美術館で開催されている「山の神仏-吉野・熊野・高野」を見に行きました。
このイベントは、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されて10周年を記念したイベントです。
「紀伊山地の霊場と参詣道」は日本ならではの信仰のかたちが残っている地域。
修験道の一大拠点「吉野・大峯」、熊野信仰の「熊野三山」、真言密教の根本道場「高野山」、といった「聖地」が、熊野古道という道で繋がっていて、人々が行き来していたわけです。
それぞれ異なる宗教として成り立ちながらも、融合して信仰されている、というのは世界的にみても例がありません。
その信仰の形として神宝や寺宝150件が見られるのが今回のイベントです。
行ってみた感想ですが、これはかなり濃厚です^^
吉野、高野、熊野と展示エリア分かれているのですが、それぞれで見応えがあります。
最初に入るのは吉野エリア。
ここで最初にお出迎えするのは蔵王権現です。
ポストカードより
等身大ほどの像ですが、間近で見られるので迫力があります^^
厨子に蔵王権現の像を納めてお祀りする「蔵王権現厨子」というものもありました。
残念ながら写真はないのですが、単に厨子に入っているだけのものではなく、厨子には吉野山の風景や鎮守神が描かれた曼荼羅が描かれており、その中心に蔵王権現立像が入ることで蔵王権現を中心とした立体曼陀羅風になっていました。
そしてこれまた残念ながら、私が訪れた時には厨子はあったのですが、蔵王権現立像だけまだ展示されていませんでした><
展示期間が前期と後期に分かれていて、後期だといらっしゃったようです^^;
これは揃って見たかったけど残念><
お次は高野山エリア。
高野山というと、真言密教の道具などが寺宝としてよくありそうな感じがしていましたが、今回展示されているのは全く違いました。
今回主に展示されていたものは、四社明神。
丹生都比売大神・高野御子大神・大食都比売大神・市杵嶋比売大神という4柱の神様です。
高野山の麓の丹生都比売神社などではこの四社明神が祀られていますね。
大食都比売大神・市杵嶋比売大神は記紀神話にも出てくる神様ですが、丹生都比売大神(丹生明神)、高野御子大神(狩場明神)は、この地方のの地主神です。
空海が高野山で真言密教の拠点を作ろうとしている時に現れて、それを手助けした神様で、いわば高野山の開創に関わる神様なんです。
そんな神様の神像を見ることができたり、そのストーリーが詳しく解説されていたりして、なかなか興味深いものでした。
そして最後に熊野エリア。
ここで一番の注目はやっぱり、等身大の熊野速玉大神坐像(国宝)ですね^^
熊野の神様は霊験あらたかな神様ですので、その神像、しかも結構大きめな像が見れたのはなかなか感慨深いものでした♪
その他、曼荼羅もたくさんありました。
熊野曼荼羅や那智参詣曼陀羅、熊野観心十界曼荼羅などが、これでもかというくらい展示されていました^^
私は、熊野三山に参拝に行った時に熊野曼荼羅や那智参詣曼陀羅は見ていたのですが、熊野観心十界曼荼羅をじっくり見ることが出来たので良かったですね。
最後、熊野エリアに入った時には時間がなくて急ぎ足になってしまったのが残念でした><
このイベントに来る前、あべのハルカスの東大寺展にも行っていたため、入館するのが14時40分ごろ。
17時で閉館だったので、ギリギリ大丈夫かな?と思いきや、あと30分ほど足りないくらいでした><
ハルカスの方は18時までは開いているので、順番を逆にすれば良かったな~と後悔しています^^;
どちらも見ごたえありますので、お勧めですよ♪