2015年は琳派が誕生して400年を記念する年。
京都中で琳派の作品が次々と公開されていますね。
京都国立博物館でも21世紀の風神・雷神伝説と題した琳派400年記念にちなむプロジェクションマッピングが公開されました。
制作したのは、京都大学教授で国際的メディアアートの第一人者でもある土佐尚子氏を中心とするチームで、生け花の未生流笹岡の家元、笹岡隆甫氏、狂言師の茂山逸平氏もコラボしています。
このイベントは3月12日~15日の4日間限定。
ウェブサイトからの事前申込が必要だったのですが、私は初日の12日に予約して行ってきました。
テクノロジーと伝統が融合した現代の琳派芸術
映像は、平成知新館・明治古都館の両方を使って投影されます。
明治古都館がメインとなるのですが、映像は平成知新館まで広がります。
作品は1日3回上映されるのですが、何回見てもOK、写真撮影もOKでした^^
なので1回目はメイン映像を大迫力で見るために明治古都館の前で、2回目は全体を俯瞰してみるために、噴水付近や奥の庭園あたりで見ました。
まずはオープニング、いきなり三十三間堂の雷神。
そして、何者かが出てくるような映像、音楽が流れます。
明治古都館がまるで火事になったかのような演出。
これは菅原道真の怨念を現わしているのだとか。
その後に俵屋宗達筆の風神・雷神が上からゆっくりゆっくり降臨します。
風神・雷神は、菅原道真の怨念に応じて、京都中に災いを引き起こそうとして降りてきているんです。
でも、降りた後はコミカルな映像に変わり、音楽にノリながら踊り踊り踊りまくります^^
これは、激しく動くことで風神・雷神の魔力を表現しているのだそうです。
続いてはシーンが変わり、狂言師の茂山逸平さんが演じる
この話は、雷神が空から落ちて腰を怪我してしまい、近くを通りがかった医者に治してもらう、という話です。
横で雷神のアニメーション映像が動きをマネしているのがかわいいです^^
次のシーンは、未来の琳派アートと風神・雷神のアート対決。
シルエットでの風神雷神もかっこいいです。
こちらは尾形光琳の
燕子花を使って、時の移ろいを表現しています。
そういう表現を見せながらも、平成知新館の方を見ると時々風神が飛んで行ったり、雷神が雷を落としたりするというユーモア溢れた演出も^^
これは、この琳派アートに対して風神・雷神が挑戦状を叩きつけているのだそうです。
琳派アートを粉砕しようとするのですが、最終的にはアートに負けて一緒に踊りだしてしまいます。
これからは一緒に琳派アートを盛り上げてくれるようです^^
そしてこちらは水の表現。
作品中、ところどころにこういう感じの表現が使われているのですが、実はこれらは、CGを使っているわけではないんです。
実際の水だったり、塗料だったり、油などなんですね。
これを音の振動で動かして、毎秒2,000フレームという高速撮影で切り取り、一瞬の出来事を200倍の長さにしているんです。
まさにサウンドオブアート。
会場では大音量の音楽と共に作品が上映されているのですが、その音を視覚化した表現なんでしょうね^^
まさに現代の技術があってこそできる現代アート、現代の琳派作品ですね。
この作品は、こういう大がかりな場を設けないと見れませんし、そもそも琳派400年という機会だからこそ作られたもの。
このタイミングで素晴らしい作品が見れたことに感謝です^^
京都国立博物館で、こんな本が売られていました。
和樂さんがムック本を出しておられるようです。
お寺巡りをしていると、琳派の作品にはよく出会いますし、今年の琳派400年を記念して色々と出会う機会がさらに増えると思いますので、私もこれを気に琳派のことを勉強しようかなあと思っています^^
ちなみに、風神雷神ってどういうキャラなのか?ということを、以前まとめた記事がありますので、そちらもご覧ください。
⇒風神・雷神の特徴