伊勢神宮の外宮表参道沿い、外宮からすぐそばに伊勢せきや本店があります。
その2階にある、伊勢せきやが運営する「あそらの茶屋」では、朝7時30分から「
外宮は、食物の神様「豊受大御神」を祀っている場所。
そして、「御饌」は神様に捧げるお食事のことで、
外宮の御正宮の近くにある忌火屋殿では、ご鎮座以来1500年にわたって、毎日朝夕神饌が作られていて、内宮と外宮、別宮それぞれのご祭神にお供えされるのです。
あそらの茶屋では、まるでお御饌のように海の幸、山の幸を丁寧に調理された朝かゆのセットをいただくことができます。
運営元の「伊勢せきや」は、あわびをはじめとする厳選した伊勢の海の幸・山の幸を伝承の醤と自然純正の調味法で仕上げた商品を販売するお土産屋さんなのですが、御饌の朝かゆには、伊勢せきやで販売している商品も使われています。
お粥に使っているお米は、奇跡の稲「イセヒカリ」
メインとなるお粥に使われるお米は、伊勢神宮外宮の奉納米「イセヒカリ」を使用しています。
伊勢せきやでは、契約農家に栽培してもらっているようですね。
「奇跡の稲」と言われているのですが、それは、平成元年(1989)の伊勢地方を襲った台風と関係があるようです。
神宮の神田ではコシヒカリを植えていたのですが、ほぼ全滅してしまいます。
しかしその中に2株だけ残っていたので、それを調べてみると、嵐や病気に強いコシヒカリの突然変異種だったのだとか。
それがイセヒカリで、伊勢神宮の少宮司が名付けたそうです。
つまり、神宮の神田で見つかった、縁起の良いお米ですね^^
素材にこだわり、丁寧に作られる「御饌の朝かゆ」
上の写真が、「御饌の朝かゆ」です。
お粥だけじゃなくて、結構盛沢山ですよね^^
内容は、
- 食前酒:梅無酒(ノンアルコール)
- 小鉢:季節の小鉢
- 小鉢:温泉玉子
- 珍味:せきや厳選珍味
- 珍味:子持しぐれ他
- 酢の物:季節の酢の物
- 焼き魚:地の干物
- ご飯:おかゆ(秘伝のたれ)
- 椀:赤だし
- 香り物:地のお漬物
- ひと口:ぜんざい
となっています。
値段は1,230円です。
そしてなんと、お粥とタレはおかわり自由となっています。
結構な内容の割に安いのではないでしょうか^^
小鉢などは季節で変わりますが、細かい内容は店員さんが説明してくれます。
そして、上のセットは基本の「御饌の朝かゆ」で、鯛やあわび、さざえ、伊勢海老をプラスしたセットもあります。
今回は、鯛の朝かゆにしてみました。
これで1,630円になります。
鯛は、下の写真のように別添えで持ってきてくれます。
鯛には塩が添えられていて、塩で食べるようです。
お粥には秘伝のたれがついていて、お粥にかけて食べます。
ちなみに、鯛の朝かゆとノーマルの御饌の朝かゆでは、たれの内容が異なっていました。
御饌の朝かゆはかつおが効いていたのですが、鯛の朝かゆは鯛だしなのか、上に鯛を乗せることも考えられていて、よりあっさりとしたたれになっていました。
これだけ細かい配慮のセットになっているわけですね^^
お粥だけだと優しい味で終わってしまいそうですが、品数がありますし、素材も一つ一つ丁寧に調理されているものばかりで、飽きません。
お店の中も静かにBGMが流れる落ち着いていて、温かい朝日が差し込んできて、ゆったりとした雰囲気。
伊勢神宮の参拝前に優雅な気持ちになれますよ^^
お店は朝7時半オープン。でも早めに行くのがベター
あそら茶屋のオープンは朝7時半となっていますが、オープン前から行列ができるほど人気です。
のんびりお店に行くと売り切れ終了してしまう可能性が高いので、オープン前に行くのがおすすめです。
お店は2階にあって、1階の「伊勢せきや」の売店は閉まっているのですが、階段の前に予約用のタブレットが置かれています。
お店が開いて、最初に席につける人数が埋まってしまったら、そのタブレットで予約する必要があります。
予約は名前と人数の入力程度の簡単操作でできますので安心してください。
予約すれば、多少お店を離れても大丈夫です。
売り切れになると、タブレットに終了メッセージがでるようです。
私が訪れたときは、8時15分には朝かゆの提供は終了していました。
なので早めに行った方が良いですね。
また、最初に入店したお客さんへのお粥の提供は結構時間がかかります。
私の場合、7時40分頃お店に到着して、9組目で予約。
席につけたのが8時50分頃でした。
外宮の参拝ができてしまうくらいの待ち時間ですね^^;
もし、オープンと同時に席につけなかったら、予約だけして先に外宮を参拝した方がよいのかもしれません。
ただし、予約の時に電話番号の入力はないので、時間を気にしつつ参拝する必要がありますね。
お店の前には、こんな像がありました。
これは、奈良のせんとくんの生みの親、籔内佐斗司先生の作品ですね!
で、これは何なのかというと、江戸時代に流行したお伊勢参り(おかげ参り)と関係があるようです。
「一生に一度はお伊勢参り」という言葉があるように神宮参詣は人々のあこがれでした。
そしていつしか伊勢を目指す旅人は柄杓を持つようになったのだそうです。
柄杓を持っているとお伊勢参りの印となったので、道中で色々と援助を受けることができたんですね。
また、伊勢神宮に参詣したいけど、行くことができない人が、犬に代参してもらうこともあったのだとか。
それを「おかげ犬」といいます。
最初はおかげ参りに行く人に連れて行ってもらうスタイルが流行ったのですが、そのうち犬だけで代参させたのだとか。
信じられない話ですよね^^
でも本当らしいのです。
実際、香川のこんぴらさんにもそういう犬の代参の話が伝わります。
どうやって代参させたのかというと、犬にお伊勢参りをする旨を書いたしめ縄や手紙を書いて持たせることで、道行く先の人々が次々とお世話をして、伊勢神宮まで導いていました。
これが成り立ったのは、お世話をすることで徳を積めると考えていたからです。
伊勢神宮は、それだけ信仰されていたという証ですね^^