複数のお寺を訪ね歩いてお参りすることを、霊場巡礼と言います。
("霊場巡り"、"霊場巡拝"、"聖地巡礼"、"札所巡り"などとも言われ、言い方はいくつかあります。)
旅行で有名なお寺を訪ね歩くのも良いですが、霊場巡礼では、ある目的を持って決まったお寺を巡ります。
日本にはそのような霊場がたくさんあるんですね^^
「○○霊場○番札所」と、霊場名と札所番号が用意されていてわかりやすくなっています。
そして最近は、信仰心の強い方だけでなく、専用の納経帳を片手にご利益を求めて観光で気軽に霊場を巡る人も増えています。
まずは気軽に巡ってみて、旅先の本尊様と御縁を頂くのも良いですね^^
というわけで、どのような霊場があるのか紹介してみようと思います。
四国霊場八十八箇所
お遍路さんや同行二人などでお馴染みの、四国八十八箇所巡り。
弘法大師 空海のゆかりのある、四国88か所の札所を巡る巡礼です。
四国八十八箇所を巡ることを"遍路"と言い、遍路する人のことを"お遍路さん"と言います。
一般的に、徒歩の場合は40日程度、観光バスや自動車を利用する場合は10日程度を要します。
西国三十三所観音霊場
【大阪・京都・奈良・兵庫・滋賀・和歌山・岐阜】
日本百観音と言われる3つの観音巡礼の1つ、西国三十三ヵ所巡り。
近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音様を巡ります。
日本で最も歴史がある巡礼です。
開設者は大和長谷寺の徳道上人。
夢の中で閻魔大王に、人々を救うために三十三か所の観音霊場を作り、巡礼を勧めなさいと言われ、三十三の宝印を授かり、設けたのが三十三ヶ所の霊場です。
なぜ33なのか?というと、「法華経」に、観音様は33に身を変じて衆生を救済する、と説かれているからです。
西国三十三所の観音菩薩を巡礼参拝すると、現世で犯したあらゆる罪業が消滅し、極楽往生できるとされています。
西国薬師四十九霊場
【大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山・三重】
薬師瑠璃光如来をまつる2府5県のお寺を巡ります。
円光大師二十五霊場(法然上人二十五霊場)
【岡山・香川・兵庫・大阪・京都・奈良・和歌山・滋賀・三重】
浄土宗の開祖である法然上人ゆかりの寺院二十五箇所を巡る霊場巡拝です。
成満したら、証として「成満之證」が授与されます。
役行者霊蹟札所
【大阪・京都・奈良・和歌山・三重・滋賀】
修験道の開祖、
(札所番号は定められていません。)
修験道の世界に触れるのに適した巡拝です。
関西花の寺二十五ヶ所霊場
【大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山】
花に御縁があり、「ボタン寺」、「アジサイ寺」など、「花の寺」として親しまれている関西一円2府4県の25カ寺が、宗旨宗派の垣根を越えて集まった霊場です。
10名以上のグループで巡拝すると、各寺の住職による「花説法」と呼ばれる法話を聴くことができます。
成満の度に記念の品も頂けます。
京都十三佛霊場
【京都市内】
数多い仏様の中から特に慈悲深く、私達に直接救いの手を差し伸べてくださる代表的な仏様十三尊を"十三佛様"と言います。
亡くなった人は、十三佛様によって罪科を除いていただき、成仏される(追善供養)と信じられています。
そして京都十三佛の場合は、追善供養のみならず、現世安穏の名刹となっている有名なお寺ばかりですので、現世安穏にしてしかも後生浄土を乞い願う二世大安穏の霊場となっています。
近畿三十六不動尊霊場
【大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山】
近畿2府4県にある、不動明王(お不動様)を祀る36ヶ寺を巡ります。
霊場の選定にあたっては、宗派に囚われず、一般の人々からの立場からの意見を取り入れられています。
煩悩を取り除き、福寿増長・家内安全・五穀豊穣・息災延命など諸々の功徳を与えて下さります。
聖徳太子御遺跡霊場
【大阪・奈良・京都・兵庫】
聖徳太子の建立したゆかりの二十八ケ所を巡拝する霊場巡りです。
真言宗十八本山
【京都・奈良・和歌山】
真言宗各派の大本山である18の寺を巡ります。
弘法大師空海の誕生の地、善通寺から、教えを広めるための基盤の地とされた京都・奈良、そしてご入定の地・高野山まで、弘法大師の足跡をたどります。
洛陽三十三所観音霊場
【京都市内】
広域で巡礼が困難な西国三十三ヵ所に代わるものとして、平安時代末期に後白河天皇によって定められたものが起源になっています。
京都市内で現在も比較的行きやすい場所ばかりなので、初めての方でも巡礼しやすいです。
秩父三十四箇所観音霊場
【埼玉県秩父地方】
西国三十三所と同じく日本百観音の1つ。
埼玉県の秩父郡市4市町村の観音様を巡ります。
秩父だけ三十四所になっていますが、元々は秩父も三十三ヶ所でした。
あわせて"99観音巡り"よりも"100観音巡り"の方がキリが良いということで三十四所になったそうです。
結願寺は秩父三十四箇所の三十四番水潜寺。結願したら、長野の善光寺に参るのが慣例となっています。
坂東三十三観音霊場
【東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木】
西国三十三所と同じく日本百観音の1つ。
関東1都6県の観音様を巡ります。
鎌倉時代初期、源頼朝の篤い観音信仰と、多くの東国の武者が西国で見聞した西国三十三観音霊場への想いが結びつき開設されたものです。
近江西国霊場
【滋賀県内】
滋賀県の琵琶湖を一周するように回る、33か所の観音霊場巡りです。
洛陽三十三所観音霊場と同じように、交通の便の悪い西国三十三所霊場の代わりに、身近な霊場で巡拝できるようにした「移し巡礼」の一つです。
その歴史は400年以上前に登る古いものとなっています。
新西国霊場
【大阪・和歌山・奈良・京都・滋賀・兵庫】
昭和七年(1932年)、大阪時々新報、京都日日新聞、神戸新聞を母体とした三都合同新聞社が、近畿二府四県の寺院の中から、わが国仏教の始祖聖徳太子の"和の道"と、平和な世界建設を基調に、信仰と健全な探勝行楽を兼ねる巡拝コースとして、一般読者の意見を中心に選定されたものです。
神仏霊場巡拝の道
【大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山・三重】
伊勢神宮(特別参拝)、および近畿地方の150の社寺を巡る霊場巡拝です。
明治以前の神仏同座、神仏和合の精神の復活を眼ざし、神と仏を区別せず、等しくお参りするということで、近畿の名だたるお寺・神社が参加しています。
都七福神
【京都市内】
七福神信仰の発祥の地、京都で行われている日本最古の七福神巡拝です。
特に新春に巡拝すると七難即滅、七福即生極まりなしといわれ、功徳が大きいとされています。
毎年1月中は、都七福神めぐりの京都定期観光バスも運行されています。
洛陽六阿弥陀
【京都市内】
享保2年(1717年)に木食正禅上人(もくじきしょうぜんしょうにん)が発願した巡礼で、阿弥陀如来像を祀る6ヶ寺を巡ります。
6ヶ所しかありませんが、1番の真如堂から6番の誓願寺まで、順番に巡礼することが必要とされていて、定められた功徳日参りを、3年3ヶ月続けると、無病息災・家運隆盛・祈願成就がかなうと言われています。
功徳日は、以下のようになっています。
1月15日 2月8日 3月14日 春の彼岸 4月15日
5月18日 6月19日 7月14日 8月15日 9月18日
秋の彼岸 10月8日 11月24日 12月24日
びわ湖百八霊場
【滋賀県内】
宗教心が薄れていく世情で、今一度神仏を敬い、心にやすらぎを持って人間性を豊かにしてほしいという願いが込められて作られた霊場巡りです。
煩悩の数と同じ百八の寺院を巡ることで悩みを打ち消します。
地方で信仰されている霊場など、上で挙げたもの以外にも霊場はあります。
私も実際に巡りながら、細かい情報があればまた紹介したいと思います^^