嵐山の渡月橋から歩いて15分ほどのところにある「
芸能・芸術のご利益が有名で、多数の芸能人が訪れている神社です。
神社の境内には、アイドルや俳優、時代劇俳優、声優、歌手、お笑い芸人、音楽団や日本舞踊、その他芸能に携わる有名人が奉納した玉垣がビッシリ!
好きな芸能人の名前が書かれた玉垣と写真を撮ろうと、ファンも多く参拝しにくるほど人気です。
お守りもユニークで、あらゆる願いを叶える「祈念神石」が有名ですが、最近ではコンサートなどのチケットの「当選」や「良席」を願う「推し活お守り」というものも登場しました。
芸能人や芸術に携わる人だけでなく、芸能人を追っかけたいファンにも嬉しい神社ですね^^
そんな車折神社の由緒やご利益、参拝方法を紹介します。
車折神社の神様、清原頼業公
車折神社はよく、雑誌やテレビで、芸能人がヒット祈願に参拝にくる神社と紹介されていますから、
車折神社 = 芸能の神様を祀る神社
と思っている方は多いのではないでしょうか?
実はそれはメインの神様ではありません。
芸能の神様は、車折神社の境内にある「芸能神社」の神様です。
(後で紹介します。)
御本殿で祀られているのは、
平安時代後期に実在した人物で、学業成就、約束を違えないことを守護する神様として崇められています。
実在した人物が神として崇められるのは、それだけ偉大な人物だったということですね。
ちなみに、全国の天満宮に祀られている天神さんも、「菅原道真」という実在の人物。
それと同じです。
現在の車折神社の社地は、かつては清原家の領地で、頼業が葬られた場所です。
葬られた後は、頼業の法名「宝寿院」にちなんで宝寿院いうお寺が建立されました。
すると、生前の威徳を偲んでたくさんの参拝者が訪れるようになり、頼業に対する信仰心へと発展します。
鎌倉時代にはついに、頼業を祭神として祀る神社となったわけです。
学業・仕事運の神様「清原頼業」ってどんな人?
清原頼業は平安末期の儒学者であり、官僚としても活躍した人物です。
今でこそあまり知られていませんが、当時は超有名人だったようです。
清原家は、天武天皇(日本書紀と古事記の編纂を始めた天皇)の皇子、舎人親王の子孫となる一族で、一族の中には、清原元輔(三十六歌仙の一人)、そしてその娘の清少納言もいます。
平安時代の清原家は、中級貴族の身分となっていて、
大外記は、人事面や詔勅(天皇のお言葉を伝える公式文書)関係の事務を扱う「外記」という役職の上位職です。
そういう家に生まれた頼業は、幼いころから学問に励みます。
周りからは秀才ともてはやされるほど、かなり優秀でした。
学識・実務いずれも秀でたものがあり、当時の権力者、藤原頼長や九条兼実に重宝され、政権のブレーンとして活躍したのです。
また、法律の学問を伝授する学者一族だったので、天皇家や藤原摂関家の学問の先生としても務めています。
九条兼実からは、
「その才、神というべく尊ぶべし」
と讃えられていたといいます。
学業や仕事運の神様と崇められるのはそういう理由ですね^^
実は色々ありがたい!「約束を違えないこと」のご利益
清原頼業のご利益で注目したいのは「約束を違えないこと」への守護。
他では見かけないご利益ですね。
このご利益は、昔から全国的に根強い人気があるのだそうです。
とはいっても、自分にどう関係があるのかわかりにくいご利益ですよね^^
でもこれは、よく考えると色々なご利益に繋がるご利益なのです。
どういうことか?というと、例えば商売繁盛を願いたい場合。
約束を違えないことは、商売相手ときちんと取引ができるということです。
それは、商売の信用度がアップすることに繋がります。
経営が順調になるので、結果として「商売繁盛・会社隆昌」、そして「金運・財運向上」へと霊験が広がっていくわけです。
経営者の場合は「金融円滑」のご利益も望めますね。
また、「売掛金回収」を願う人も参拝にくるようです。
経営者、自営業者は特に参拝しておきたいですね^^
良縁成就も「約束を違えないこと」から繋がります。
約束事が順調に守られるのは、恋愛や結婚だけでなく、人としての信頼を育みますので、人付き合い全般で大切です。
でも、どんなに頑張っても仕方なく約束を違えてしまう結果になってしまうこともあるかもしれません。
そうならないようにサポートするのが「約束を違えないこと」のご利益。
誰であってもありがたいご利益です。
ぜひ本殿を参拝しておきましょう。
芸能人の玉垣がビッシリ並ぶ芸能神社
芸能神社は、車折神社の境内の一角にあります。
境内の一角にある、といっても、上のように入り口からたくさん玉垣が並んでいるので、ご本殿よりも目立つ感じです^^
御祭神は、
日本神話の
神楽の起源も、この神様に由来するんですよ^^
芸能や芸術に携わっている方は必ず参拝しておきたい神様ですね。
奉納された玉垣は、このような感じ。
これだけあれば、知っている人が誰もいない、なんて人はいないはず。
誰かのファンではなくても、知っている名前を探すだけでも楽しいですね^^
裏に回ってもこんなにたくさん。
「芸能」といっても、テレビに出てくる芸能人だけではありません。
茶道や華道、書道家、彫刻家、作曲家、ダンサー、マジシャン、劇団員、カメラマン、楽器奏者など、幅広い分野で活躍する人たちの名前もありました。
そしてなんと、ワンピースの麦わらの一味のものまでありました!
これはワンピースの和の国編にちなんでイベントをしていた時に奉納したようですね^^
ところで、天宇受売命を祀る神社は、車折神社以外にもあるのですが、なぜここが有名なのか?というと、それは、車折神社の場所が関係しているようです。
車折神社からすぐ近くには、「
太秦は日本映画の始まりの町で、東映や松竹の撮影所があり、「日本のハリウッド」ともいわれる場所でした。
今でも時代劇のロケが行われますし、俳優の養成所がありますね。
かつては11か所もの撮影所があって、俳優や監督、スタッフなどの芸能関係者が多く住んでいたそうです。
そういう地域柄、芸能神社には多くの芸能関係の参拝者が訪れました。
諸芸上達はもちろん、人気上昇、オーディションの合格、ヒット祈願などをしていたわけです。
芸能神社のは、こういう人たちから広まっていったと考えられています。
奉納された玉垣は、2年間掲載されるようです。
奉納料は21,000円。
奉納したい人は結構いるようで、申し込んですぐにできるものではなく、2ケ月前後はかかるとのこと。
あなたがもし奉納するとしたら・・・
超有名人の隣に掲載されるかもしれませんよ^^
願いを叶えるパワーストーン「祈念神石」と参拝手順
車折神社には、ここでしか頂くことができないお守りがあります。
ここのお守りを求めてわざわざ訪れる人も結構多いんですよ^^
そんな車折神社の中で一番人気のお守りが「祈念神石」。
少なくとも江戸時代の中ごろには授与されていたという、伝統的なお守りです。
中には、神社でお祓いした石が入っています。
(開けて見てはいけません)
「石」は、「車折」という名前の由来にも関係しています。
鎌倉中期、後嵯峨天皇が牛車で社前を通った時、突然牛が動かなくなり、車軸が折れて動けなくなりました。
あとで調べてみると、その場所が清原頼業を祀っている場所だとわかり、そのご神威を畏れ、門前右側の石を「車折石」と呼び「正一位車折大明神」の神号を贈られました。
このような由緒があるので、車折神社には独特の「石」に対する信仰があるわけです。
そしてそれが現代にも続いているのが「祈念神石」なのです。
見た目は普通のお守りですが、祈念神石を頂いてから願いが叶った、という話が結構広がっています。
祈念神石でご利益を頂くには、車折神社が勧める参拝の手順がありますので、紹介します。
1.「清めの社」で悪運・悪因縁を浄化
手水舎で手と口を清めたあと、「清めの社」を参拝します。
参拝作法は「二礼、二拍手、一礼」です。
「清めの社」の場所は、社務所の近く、参道沿いにあります。
細長く伸びた立て砂が目印です。
ここはその名の通り、自分についている悪い因縁などを浄化してくれる場所。
厄除け・八方除けの祈祷を受けにやってくる人もいる場所です。
ご利益を得る前に、まずは悪い運や縁を祓い落としましょう、ということですね。
ちなみに、立砂の写真を撮ってスマホの待ち受け画像にすると、運気が良くなるともいわれているそうですよ^^
2.社務所で「祈念神石」を授かる
悪運・悪因縁を落としたら、次は「祈念神石」を購入しに、社務所へ行きます。
祈念神石は、お守り型(700円)とおふだ型(500円)があります。
お守り型は、バッグなどに入れて、毎日肌身離さず持ち歩くもの。
おふだ型は、神棚や、目線より高い場所に安置して、毎日願い事を念じるものです。
自分の好みでよいと思いますが、車折神社では、初めての方にはお守り型をお勧めしているとのこと。
3.本殿で願い事を念じる
本殿へ行き、まずは「二礼、二拍手、一礼」をします。
次に、祈念神石おまもりを両手に挟み、願い事を強く念じます。
願い事は何でもOKですが、漠然とした願い事よりも、より具体的な内容の方が願いが叶いやすいそうです。
4.芸能神社で願い事を念じる(芸能・芸術関係の方)
こちらは芸能・芸術関係の方は、芸能神社でも祈念神石に念を入れてもらいます。
本殿と同じように「二礼、二拍手、一礼」、そして祈念神石おまもりを両手に挟み、願い事を強く念じます。
参拝の仕方はこれで終わりです。
祈念神石を持ち帰ったあとは、おまもり型は肌身離さず持ち、お札型は目線より高いところに安置し、毎日お祈りをします。
祈念神石で願いが叶った後のお礼参り
願いが叶った後は、再び車折神社を訪れて、お礼参りをします。
必要なものは、返すお守りと、海や山、川、自宅などで拾ったお礼の石です。
お礼の石には、「願いが叶いました」「〇〇成就 御礼」といったお礼の言葉を書き、本殿前にある石置き場に納めますので、書きやすい石の方が良いですね。
上の写真はすべて、願いが叶って返されたお礼の石。
これだけ願いが叶っているということです。
そしてこの場所に収まらず、まだたくさん返されています。
石にはこんな感じで御礼を書いています。
書き方は自由です。
「御礼」の2文字でもOK。
お礼の石とは別に、祈念神石お守りも、本殿脇にあるお守り返却箱に返しましょう。
遠方で「お礼の石」と「祈念神石お守り」を返しに行けない場合は、郵送でも受け付けてくれます。
車折神社には他にも、金運・財運、美のご利益が弁天様から頂ける「弁天神社」や、才色兼備の美人になるご利益が頂ける「清少納言社」もあります。
女性に嬉しい摂社ですね^^
弁天神社の金満美麗お守り、清少納言社の才色兼備お守りも社務所で販売されていました。
車折神社は、嵐山の渡月橋から歩いて15分ほど。
嵐山観光と合わせて行ってみると良いですね。