滋賀県大津市の三井寺で、毎年5月中旬の土日に開催される千団子まつりに行ってみました。
千団子まつりは、600年以上続く伝統があり、子供の無事な成長や、安産を祈る祭りです。
祭りの主役となるご本尊は、子供の守護神、鬼子母神。
三井寺の護法善神堂(千団子社)に祀られていて、普段は扉が閉ざされているのですが、祭りの日は御開帳され、鬼子母神立像が姿を見せます。
こちらは三井寺の扉に貼られていたポスター。
右側の像が鬼子母神立像です。
護法善神堂は、三井寺の有料エリアの外にあるので、無料で祭りを楽しむことができます。
鬼子母神立像の拝観も無料です。
鬼子母神ってどんな神様?
鬼子母神のエピソードを紹介します。
鬼子母神は元々、人間の子供を食べていた恐ろしい神様でした。
自分には千人の子供がいるのですが、自分の子供は一人一人が可愛い存在。
なので、他人の子供を食べることで空腹を満たしていたのです。
そこでお釈迦様は、鬼子母神の実子の一人を隠すことにしました。
半狂乱となった鬼子母神はお釈迦様に助けを請います。
お釈迦様は、
「お前は多くの子がいながら一人の子を失っただけでそんなにも嘆き悲しんでいる。それならただ一人の子を失う親の悲しみはどれほどのものだろうか。」
と諭しました。
「仏法に帰依しなさい。そうすれば子供に会うことができるだろう」
という言葉で自分の罪を改めた鬼子母神は、仏法に帰依することができたので、子供を返してもらえたのです。
それからも鬼子母神は五戒を守るようになり、施食で空腹を満たすことを教えてもらったので、もう子供を食べることはしません。
逆に子供たちを守る神様となりました。
この鬼子母神、三井寺では、中興の祖の智証大師 円珍とゆかりがあります。
円珍についてはこちらに書きました。
鬼子母神は円珍の前に2度現れているんですね。
最初は円珍が5歳の頃。
天女の姿で円珍の目の前に現れ、守護することを誓いました。
そして次は唐から帰ってくる時。
改めて円珍と仏法の守護を誓ったのです。
そこで円珍は鬼子母神の像を作って祀りました。
そのようなことから鬼子母神は三井寺の護法善神とされ、大切に扱われています。
植木市・苗市で賑わう境内
境内には色々と露店が出ているのですが、大部分を占めるのが、植木や苗を販売するお店でした。
子供が無事成長する、ということにちなんで、このような植木市が開催されているのだそうです。
プランターで育てるような苗もありますが、それが中心ではありません。
本格的な植木が販売されているんですね^^
例えばこういう松の木など。
ここまで成長したものをどうやって持って帰るのでしょうか・・・
後日届けてくれるのかもしれませんが、滋賀県の人は、庭を大切にしている人が多いように思えます。
車で走っていると、割と整った庭を持った家が多く、きれい好きという印象を受けるんですよね。
この植木市は地元の人に親しまれているのだそうです。
植木の道具も販売されていましたから、それ目的で来れられる方もいるでしょうね。
こちらは普通の露店。
舞台イベントも行われていました。
私が訪れた時は歌を歌っていたのですが、傘回し皿回し、ちんどん屋、南京玉すだれなど、古風な大道芸も行われていたようです。
時間があえば見てみたかったですね^^
護法善神堂の御開帳
いよいよ鬼子母神にお参りです^^
護法善神堂の前には途切れなく人がお参りに来て、列ができます。
こちらが祀られている鬼子母神像。
こういう団子の供え方は珍しいですね^^
鬼子母神は仙人の子供がいるということから、千個の団子を供えて供養することが「千団子まつり」の名前の由来になっています。
鬼子母神はちょっと隠れて見えにくくなっていますが、強い優しさを持った母親、という感じの印象を受ける像でした。
実は以前、大津市歴史博物館で開催されていた三井寺 仏像の美で、間近で拝観しているんですよね^^
像高159.1cmで、わりと大きめの像でした。
足元には愛子立像が置かれているはずなのですが、団子で見えませんね(≧▽≦)
護法善神堂の前には「千団子すくすく人形」という伏見人形が販売されていました。
子供の成長を願うお守りのようなものですね^^
一体2千円と書かれていました。
大きさがかなり違いますが、どれも一律2千円なのかどうかはわかりません^^;
他にも、鬼子母神に奉納されていた千団子も、8本入り800円で販売されていました。
亀を放って子供の健康を祈る放生会
護法善神堂の前には放生池があるのですが、千団子まつりの期間中は、子供の名前と年齢を亀の甲羅に書いて池に放つ「放生会」が行われます。
亀を放せるように、滑り台が設けられていました^^
どんな感じで放つのか、見てみたかったのですが、私が訪れたのは13時半ごろで、亀が無くなって終了してしまったようです。
池を見ても、みんな潜ってしまったのか、亀の姿は見られずでした。
帰ってから知ったのですが、千団子まつりの日は、限定で「護法善神」「三井寺千団子」と書かれた御朱印があるそうですね。
知らなかったので、今回は頂きませんでした><
祭りの機会に合わせて訪れるのはなかなか難しいですが、次訪れるときは忘れずに頂きたいです。