祇園祭の後祭は、10基の山鉾が登場します。
その中で宵山の日に搭乗・拝観できる山鉾は、大船鉾と南観音山の2基です。
今年はこの2基に登ってみたのですが、大船鉾についてはこちらに書きました。
今回は南観音山です。
南観音山は、懸装品を拝観するのにおススメの山鉾の一つです。
南観音山は厄除けの曳山
南観音山は楊柳観音・善財童子を御神体としている曳山です。
祇園祭は八坂神社が主催するお祭りですから、仏像を御神体としているのは面白いですね^^
楊柳観音は、病気や苦しみを癒してくれる観音様。
「柳」には薬効成分があって、昔から薬とされているもので、楊柳観音のシンボルとなっています。
なので、巡行の時には後ろに柳の枝を垂らして進むのです。
(※2014年の山鉾巡行の時の写真です)
祇園祭も疫病封じのために行われたのが始まりですので、そこに通じるものがあるわけですね。
懸装品は、仏教の世界を表すかのように、下水引には飛天が舞っています。
破風にも観音様が。
懸装品はこれだけではありません。
保存会の会所では豪華な懸装品が間近で見ることができ、そこから山に搭乗することもできます。(拝観券は300円)
拝観券を購入して、会所の二階に上がると懸装品が展示されているのですが、いきなり目を見張るような立派な懸装品が!
緋羅紗地四神文様刺繍という、天水引に使われている懸装品です。
立体的で躍動感あふれるこの作品は、一本一本が手作業で作られているんですよね。
玄武の背中から生えるものも細かいですが一針一針の手作業です。
白虎の毛並みや立体感も見事なもの。
お次は金地舞楽図刺繍。
下水引に使われています。
こちらも刺繍なのですが、一つ一つが細かいです。
見送に使われる、綴錦の「龍王渡海」。
南観音山のある百足屋町は、かつては豪商が軒を並べていた地帯。
お金のある地域なので、曳山の懸装品にはかなり力を入れていたようです。
こういう立派な懸装品があるのもそのためなのかもしれませんね。
南観音山に搭乗
いよいよ曳山に搭乗します。
列ができるほど並んではいなかったのですが、狭いので中に入ると人がいっぱいでした。
このような椅子に座ることができます。
北の方向を見ると、北観音山が見えます。
北観音山にも楊柳観音が祀られていて、かつては北観音山と南観音山と隔年で交互に巡行に出ていたそうです。
会所には楊柳観音と善財童子も祀られているのですが、御神体なので撮影は禁止。
お寺でもないところに仏像があるのは不思議な感じなのですが、結構立派な仏像だったんですよね^^
楊柳観音は鎌倉時代の座像なのですが、当時からのものは東部と胸部のみで、他は後世の補修によるものなのだそうです。
江戸時代の天明の大火で、善財童子とともに焼けてしまったんですね。
しかし、言われなければわからないほど、古くからここに変わらずいらっしゃるような感じでした。
また、南観音山では、「あばれ観音」という独自の行事が宵山の夜23時頃に行われます。
これは、楊柳観音像を台座に縛り付けて、激しく揺さぶりながら町内を回るという行事です。
夜中なのでなかなか見に行く機会がないのですが、いつか見に行きたいですね^^
最後に、南観音山の御朱印(スタンプ)です。